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小津航

Wataru Ozu

 小津航は1991年東京都生まれ、2014年東京藝術大学美術学部絵画科油画専攻卒業。クラーナハの「ルクレティア」、シャルダンの「⾚エイ」など美術史上の⻄洋絵画や、歌川広重の浮世絵などを参照してドローイングを描き、⾃⾝が描いたドローイングそのものをモチーフとした油彩画や、下層の⽩を透過させて描写をするフランドル絵画から着想を得て、地塗りをせずに油を引いたキャンバスの透けた状態を利用した絵画作品を制作している。

 昨今、小津が制作を続けている静物画は、机の上にモチーフを組むのではなく、アトリエの床に置いたベニヤ板の上にリンゴを配置し、それらをモチーフとした油彩画である。モチーフのリンゴを机ではなく床に置くことで、キャンバス内の「上部と下部」を「遠景と近景」とした東洋的絵画空間を再考しながら絵画とモチーフの関係を模索している。モチーフとなるリンゴは、普段から⾒慣れた果物であり、近代日本の静物画において頻繁にモチーフとして使用され描き続けられているイメージとして描いている。