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ラリー・クラーク

Larry Clark

 ラリー・クラークは1943年アメリカ・オクラホマ州生まれの写真家、映画監督。13歳で子供の撮影が専門の写真家であった母の仕事を手伝い始め、16歳のときより自身と地元の友人らを撮影。71年、未成年の薬物依存や性行為、非行、またパンクやスケートボードといったサブカルチャーをとらえた写真集『タルサ』を出版し、写真界に衝撃を与えた。75年、暴力事件と銃の不法所持で5年間服役。83年に写真集『ティーンエイジ・ラスト』で活動を再開し、以降も一貫して若者の実態に焦点を当てた撮影を続ける。

 95年には映画『キッズ』(脚本=ハーモニー・コリン)で監督デビュー。ストリートで起こる10代の日常をドキュメンタリー調で追い、薬物・性・暴力のリアルな描写が物議を醸した。同作は、製作において映画監督のマーティン・スコセッシやガス・ヴァン・サントらの助力を受けたこと、また後に俳優として活躍するクロエ・セヴィニーや、伝説的スケートボーダーのハロルド・ハンターらが出演していることでも知られる。90年代後半より映画に注力し、『アナザー・デイ・イン・パラダイス』(1998)、『ケン・パーク』(2002)、『ワサップ!』(2005)の監督を務めた。2016年、GALLERY TARGET(東京)で個展「TOKYO 100」を開催。『キッズ』をはじめとした代表作のシーンや撮影地でのスナップショットなどが出品された。