ARTISTS
坂上チユキ
Chiyuki Sakagami
坂上チユキは、古今東西の文学や音楽、生物学から着想を得て、太古の原始生物や微生物を思わせる微細なドローイング、油彩、彫刻作品を制作するアーティスト。約5億9000万年前プレカンブリアの海で生を授かったという自身の内面世界を表現している。作品は、紙に水彩、鉛筆、インク、水晶やラピスラズリの顔料を用いた青を基調に、多様なイメージが積み重なる画面が特徴。1993年開催の「パラレル・ヴィジョン 20世紀美術とアウトサイダー・アート」展(世田谷美術館)で初めて作品がまとまって展示され、その後、現代美術やアールブリュットなど様々な領域で紹介されている。2014年にはヨコハマトリエンナーレに出展。近年は、人類滅亡後の地球を予想した書籍や万葉集、現代音楽を引用しながら、自身の内的世界の住まう生き物たちを語ったドローイングシリーズ「博物誌」(2011)、自身がもっとも敬愛する生き物である鳥類をモチーフとした「鳥の写本」シリーズ(2016)を発表。これまでの個展に、「陽性転移 第一章: 中国趣味」(MEM、東京、2016)、「陽性転移 第二章: 青い小品集」(MEM、東京、2017)など。