ARTISTS

サラ・ジー

Sarah Sze

 サラ・ジーは1969年アメリカ・ボストン生まれ。初めに建築を学び、91年にイェール大学を、97年にスクール・オブ・ビジュアル・アーツを卒業。以降ニューヨークを拠点に活動し、日用品を使ったサイト・スペシフィックなインスタレーションを展開している。素材となるのは、糸や綿棒、ペットボトル、発泡スチロール、錠剤、チューイングガム、小型の扇風機などのあらゆる大量生産品。展示空間の特性を意識し、時に現地で入手できるものを即興で組み合わせた有機的なかたちは、一見雑多でありながら作家が定めた秩序に則り、緊張感をまとってバランスを保つ。見慣れた日用品の集合体は自ら生き物のように増殖し、自然の循環や変動する都市空間のイメージを思わせる。これまで、シカゴ現代美術館やカルティエ現代美術財団(パリ)など欧米の美術館で個展を開催し、ヴェネチア・ビエンナーレ(2013年は米国代表)やベルリン・ビエンナーレなど国際展にも多数出展。日本では2008年に銀座メゾンエルメス フォーラムで個展を開催したほか、10年の「東京アートミーティング トランスフォーメーション」展(東京都現代美術館)に参加。金沢21世紀美術館に作品が収蔵されている。