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つげ義春

Yoshiharu Tsuge

 つげ義春は1937年東京都生まれのマンガ家。本名は柘植義春。小学校卒業と同時にメッキ工場などで働き、複数の職を経て54年に雑誌『痛快ブック』(芳文社)の「犯人は誰だ!!」「きそうてんがい」でマンガ家デビュー。日常や夢をテーマにしたリアリズムにこだわった作品から、シュールな作品まで幅広く手がけている。 66~68年『ガロ』誌に掲載された『紅い花』『沼』『李さん一家』などの一連の作品で注目される。68年の『月刊漫画ガロ』6月増刊号「つげ義春特集」で発表された「ねじ式」は短編でありながら、その芸術性と不条理性でつげの代表作となった。 91年には竹中直人監督・主演で『無能の人』が映画化され、同年のヴェネチア国際映画祭国際批評家連盟賞を受賞した。17年には『つげ義春 夢と旅の世界』(新潮社)と一連の作品で第46回日本漫画家協会賞大賞を受賞。主な著書に『つげ義春とぼく』 (1977) 、『つげ義春日記』 (1983) など。