ARTISTS
山下裕美子
Yumiko Yamashita
山下裕美子は、制作工程で紙や布を使用し、ごく薄い皮膜のような磁器の作品を手がけるアーティスト。2004年京都教育大学造形表現コース卒業。山下の作品は、支持体としての紙や布は焼失しているにもかかわらず、質感として作品のうえに残り、焼成を経て、失われることで立ち上がる紙や布の存在した痕跡、記憶をかたちづくっている。土という素材から重量を可能な限り削ぎ落とすことで浮かび上がるミニマムな物質感に興味を持ち、物体でありながら空間や時間を前景化させるものを求めて、制作に取り組んでいる。近年の個展に、「石の紙 fossil paper」(+1 art、大阪、2019)、「fractal」(SILVER SHELL、東京、2018)、「きおくの輪郭」(京都陶磁器会館、2016)。展覧会に、「Kyoto Art for Tomorrow-京都府新鋭選抜展2017」(京都文化博物館)、「琳派400年記念 新鋭選抜展 ~琳派の伝統から、RIMPAの創造へ~」(京都文化博物館、2015)などがある。