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松井えり菜

Erina Matsui

 松井えり菜は1984年岡山県生まれ。松井にとって、自画像はコミュニケーションツールでありもっとも身近なモチーフである。GEISAI6にて金賞を受賞した《エビチリ大好き》に代表される変顔作品は、濃厚な実体験を通して、他者と笑いや感情を共有したいという思いをキャンバス上に体現するものである。デビュー時より自画像表現の可能性の模索を続け、近年は直接的に顔を描写する表現に留まらず、幼少期に油絵に触れるきっかけとなった西洋画と少女マンガをコマ割りでつなぎ合わせる「古典回帰」シリーズ、いまを生きる女性の感情を可視化する層を描いた「レイヤー」シリーズ、自身の分身とも言える「ウーパールーパー」シリーズなど、幅広く愚直に制作に取り組んでいる。

 主な展覧会に「J’en reve」(カルティエ現代美術館、パリ、2005)、「松井えり菜~大原美術館をおもちゃ箱に」(大原美術館、岡山、2012)、「ROAD SWEET ROAD」(クンストラーハウスベタニエン、ベルリン、2013)、「高橋コレクションミラーニューロン」(東京オペラシティアートギャラリー、2014)、「顔の惑星」(鹿児島県霧島アートの森、2016)、「令和おとぎ草子 桃太郎 KAMISHI By 松井えり菜」(岡山県立美術館、2020)など。また、大原美術館・カルティエ現代美術財団ほか国内外の美術館に作品が収蔵されている。