ポストコロニアルの過去・現在・未来 シャルジャ芸術財団の5つの個展から
MEASA地域を考える
2月下旬から3月初旬にかけて、アラブ首長国連邦のシャルジャで、中東アフリカ南アジア(MEASA)地域の現代美術作家5組による個展が始まった。同展の主催は、中東現代アートシーンの中核を担うシャルジャ芸術財団(2009〜)で、同財団が管理運営するアートスペース4ヶ所で7月上旬まで開催中だ。
また、国際会議「March Meeting 2022 ポストコロニアルの来世」(3月5日〜7日)には、美術およびポストコロニアル理論に関する専門家が40名以上集まった。ガヤトリ・C・スピヴァクの基調講演で幕を開け、構造的不平等、移民、気候変動と人新世、ブラック・ライヴズ・マター、フェミニズム運動と性別化されたアイデンティティ、植民地化と脱・植民地化、監視の新しい形式など、今日的な諸問題について活発な議論が交わされた。同時に「シャルジャ・ビエンナーレ15 いま歴史的に考えること」(2023年開催予定、構想=オクウィ・エンヴェゾー、キュレーター=ホーア・アル・カシミ)に関連した包括的な理論的枠組みの提示ともなった。