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《真珠の耳飾りの少女》の留守を守ったのは? マウリッツハイス美術館の大胆な試み

2023年2月10日よりオランダのアムステルダム国立美術館で開催されている史上最大規模のフェルメール展。ここに《真珠の耳飾りの少女》を出品しているマウリッツハイス美術館が、その「不在」を大胆な展示へと変えた。

文=樋上まき

「My Girl with a Pearl」展示風景より

 2月10日よりオランダのアムステルダム国立美術館で開催されている史上最大規模のフェルメール展には、現存する約35作品のうち4分の3にあたる28作品が展示されている。ワシントンやニューヨーク、ロンドン、パリ、ダブリン、東京など世界中の美術館やコレクションから作品が集められ、今回の展示が実現した。その中にはマウリッツハイス美術館が所蔵するフェルメールの全3作品──《デルフトの眺望》《ディアナとニンフたち》、そして世界的にもっとも愛されている作品のひとつ《真珠の耳飾りの少女》も含まれる。

アムステルダム国立美術館の「Vermeer」展示風景より、《真珠の耳飾りの少女》(1664-67頃) Photo Rijksmuseum/ Henk Wildschut

 マウリッツハイス美術館は展覧会への貸し出しが決まったとき、フェルメール作品、とりわけ館の顔ともいえる《真珠の耳飾りの少女》の不在を埋めなければならないという大きな課題を突き付けられた。しかしながら、美術館はこの不在をフェルメールの少女と彼女を愛する人々をより強く結びつける好機と捉え、少女がいなくなった一室に少女からインスピレーションを受けた作品を世界中から募集し展示する「My Girl with a Pearl(私の真珠の少女)」と名付けたインスタレーションを企画した。

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