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ミッドセンチュリーの名建築がホテルに変身。「TWAホテル」の魅力とは?

ニューヨークのジョン・F・ケネディ国際空港に隣接している旧「TWAフライトセンター」が、2019年5月「TWAホテル」として生まれ変わりオープンした。その見どころを現地からお届けする。

文=國上直子

TWAホテル外観 (C) TWA Hotel/David Mitchell

 ニューヨークのジョン・F・ケネディ国際空港のターミナル5には、1962年から2001年までTWA(トランス・ワールド航空)のターミナルとして利用されていた「TWAフライトセンター」が隣接する。建築家エーロ・サーリネンによってデザインされたこの建物はミッドセンチュリー建築の代表例として知られているが、2001年にTWAが廃業して以降閉鎖されていた。

 1994年にはニューヨーク市のランドマーク、2005年には国の歴史登録財に指定され、保護されていたが、この建物を宿泊施設として蘇らせる公民共同のプロジェクトが発足。1962年当時の建物の魅力を完全再現するための念入りな修復作業と、宿泊棟の追加が行われ、2019年5月「TWAホテル」が誕生した。

TWAホテル建物内部。床や壁面を覆う「ペニータイル」はすべてオリジナルのもの (C) TWA Hotel/David Mitchell

 TWAホテルは、旅することがきらびやかだった航空業界の黄金時代「ジェット・エイジ」と、ミッドセンチュリーモダンのデザインを堪能してもらうことをコンセプトとしている。その見所を、旧ターミナル部分を中心に、ゲストサービス部長のクリス・ベッツ氏に紹介してもらった。

 TWAフライトセンターをデザインしたエーロ・サーリネンは、フィンランド出身で建築家・デザイナーとして活躍した。セントルイスのゲートウェイ・アーチ、イェール大学のホッケーリンク「ザ・ウェール」、CBS本社ビル、リンカーンセンターのビビアン・ボーモント・シアターなどの有名建築物のほか、家具のデザインなども多く手掛けた。サーリネンは、デザインに曲線を多用することで知られ、TWAフライトセンターには、彼のデザインの魅力が凝縮されている。

TWAホテル建物内部。至るところが曲線で構成されている (C)TWA Hotel/David Mitchell

旅をテーマにしたこだわり

サンクンラウンジ。外にある旅客機は通称「コニー」と呼ばれたタイプのもの。ルフトハンザ航空が所有していたTWAの中古機を、ホテル開業に際し譲り受けた。内部はカクテルラウンジに改造されている (C) TWA Hotel/David Mitchell

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