渋谷PARCOを舞台に、アートイベント「SHIBUYA PARCO ART DAYS」が開催される。会期は11月4日〜11月8日。
「RESONANCE 呼応」をテーマに掲げる今回は、アート、音楽、映像、パフォーマンスなど、多様な表現が渋谷PARCOに集結。なかでも10階のイベントスペース「PBOX STND」では、アーティスト・尹苑(イン・エン)の新作パフォーマンス《うまくいく》(2026)や、Soundwalk Collectiveによるジャン=リュック・ゴダール(1930〜2022)の個人アーカイブを題材とした映像作品《What We Leave Behind / Jean-Luc Godard Archives》の上映、MESがキュレーションするアートナイトなどが予定されている。
ファッションや音楽、現代美術など、様々なカルチャーの発信拠点として知られる渋谷PARCO。今回のイベントでは、光や身体、映像、音が互いに反応する「呼応」をキーワードに、館内各所で多彩なプログラムを展開する。4階のPARCO MUSEUM TOKYOでは、アーティストデュオ・MESによる個展「レイ/RE-I」も開催。作品と鑑賞者、表現と都市のあいだに生まれる関係を、複数のメディアを通して探る5日間となる。
「馬」の表象から現代人の身体を問う。尹苑の新作パフォーマンス《うまくいく》
11月7日にPBOX STNDで発表されるのは、アーティスト・尹苑による新作パフォーマンス《うまくいく》(2026)だ。


1993年に中国・上海で生まれた尹苑は、シカゴ美術館附属美術学院を経て、東京藝術大学大学院美術研究科彫刻専攻を修了。現在は同大学の博士後期課程に在籍している。「無意識の行動と受動的身体」をテーマに、パフォーマティブ・インスタレーションを軸とした領域横断的な表現を展開。社会構造や規範が個人の内面に取り込まれ、無意識のうちに日常的な行為として現れる過程に関心を寄せてきた。
今回の新作で着目するのは、「馬」という存在。かつて労働や戦争を支える力として人間社会に組み込まれていた馬は、近代化とともに機械や資本の論理のなかでその役割を変化させ、後景化した。そのいっぽう、馬の姿は遊具やゲームなどのモチーフとして、いまも私たちの日常に残されている。

尹苑は、こうした馬の歴史と表象を手がかりに、規則や欲望に翻弄される現代人の身体と意識のあり方を探る。インスタレーション、サウンド、パフォーマンスが交差する空間を通して、社会のシステムによって規定される身体と、そこから逸脱しようとする可能性を検討する。
パフォーマーには伊藤悠希、大石水月、クララ・キルシュ、山田響己、ヨンハ・ジェームズ・ファンが参加。上演時間は約1時間を予定しており、途中入退場も可能だ。
ゴダールの映画に残されなかった音をたどる。Soundwalk Collectiveが再構築する映画監督の記憶
11月8日には、ニューヨークとベルリンを拠点に活動するアーティスト・コレクティブ、Soundwalk Collectiveによる映像作品《What We Leave Behind / Jean-Luc Godard Archives》が上映される。


Soundwalk Collectiveは、アーティストのステファン・クラズニアンスキーとプロデューサーのシモーネ・メルリを中心とするコレクティブ。特定の場所や歴史、文化的文脈に着目し、フィールドレコーディングや映像などを組み合わせた作品を制作してきた。これまでにパティ・スミスやナン・ゴールディン、シャルロット・ゲンズブールら、様々な分野の表現者との協働も行っている。
今回上映される作品は、映画監督ジャン=リュック・ゴダールの個人アーカイブをもとに制作されたものだ。ゴダールがフランスの倉庫に保管していた膨大な資料には、撮影済みのフィルムや録音テープ、メモ、書籍などが含まれていた。Soundwalk Collectiveはこれらの資料を調査し、撮影や音源採取を実施。完成した映画には収められなかった撮影現場での指示や会話、リハーサル、アウトテイクなどの断片を、映像と音響によって新たに構成した。
映画の完成形からは見えない制作過程の痕跡を拾い上げ、音を通してゴダールの創作に接近する本作。映画を構成するために選ばれたものだけでなく、その過程で取り残された音や言葉に耳を傾けることで、アーカイブと記憶、そして映画という表現の関係を問いかける。
上映は11月8日17時30分から。ゴダールが遺した資料を、映像と音響という異なるメディアを介して再構築する試みを紹介する。
- 1
- 2

































