様々なバックグラウンドを持つ10名のアーティストによる斬新な表現。「郷愁狂想曲」展が渋谷ヒカリエ8で開催へ

グローバル時代に旅行、さらには他国に移民することで非凡な視野を育てて新たな表現を生み出す10名のアーティストによるグループ展「郷愁狂想曲(ホームシック・ラプソディー)」が、渋谷ヒカリエ8で開催される。会期は12月7日〜19日。

展示風景より

 中華圏の芸術業界で長年の実務経験を持つ株式会社東和とArt Bridgeの2社によるアートブランド「ART CROSS」の主催により、現代美術グループ展「郷愁狂想曲(ホームシック・ラプソディー)」が、12月7日より渋谷ヒカリエ8で開催される。

 深みと面白さのある現代アーティストを発掘し、新たなコレクションバリューチェーンと関連産業の可能性を見出すことを目指すというART CROSS。本展では、新型コロナウイルス感染症が始まる前の、自由に移動や旅行することで見知らぬ要素を認識・吸収し、自分たちの文化の源への探求に内面化させるという、私たちがごく普通に楽しんでいたグローバル時代への「郷愁(ホームシック)」をテーマにしている。

 展覧会には、イダス・ローシン(IdasLosin)、ダトゥール(Datouer)、トリスタン・ウー(Tristan Wu)、ローレンス・ヴァリエール(Laurence Vallieres)、カカ(Kaka)、ベロニカ都登(Velonyca Toto)、オンリー(Onree)、ブライアン・チェン(Brian Chen)、スーパーフィクション(Superfiction)、ターレ(Thale)といった10名のアーティストが参加。いずれも現代において他国へ旅行、あるいは移住することで非凡な視野を育て、異文化の要素を吸収して新たな現代美学を自身の制作に取り込むアーティストだ。

 台湾原住民族のタイヤル族/タロコ族出身のイダス・ローシンは、2013年から太平洋のオーストロネシア語族を訪れた後に制作したアイランドホッピングシリーズ作品を本展に出品。北京在住のダトゥールは、安藤サクラと伊藤詩織など、現代日本において重要な文化的意味合いを持つ女性たちを独特な筆遣いで描いた作品を展示する。

 トリスタン・ウーは、今日の現代社会を映し出す架空の会社「WuTechIndustries」に生きる「ヒステリック・ミッチ」という主人公を描いた作品、カナダ在住のローレンス・ヴァリエールは、段ボールを用いて制作した様々なサイズの紙の彫刻作品、中国出身のカカは、宇宙に存在する様々な未知なものを表現した絵画作品、東京在住のベロニカ都登は、瑞獣・神獣・鬼・妖怪などを装飾的な色彩で描いた作品を出品する。

 また、音楽や絵画、彫刻、テキスタイル、コラージュ、執筆など、多岐にわたって活動するニューヨーク出身のオンリーは本展で、陶芸作品とともに、ミクストメディアによるペインティングを発表。アーティスト活動とともに、イラストレーターや広告マンとしても活躍するターレは、ポップアイコン、昔のマンガ、スケートボードの影響を受けて描いたポートレートの作品を展示。相反する素材を融合することで制作するブライアン・チェンと、サンフランシスコのクリエイティブデザインスタジオであるスーパーフィクションも、独自の手法で取り組んだオリジナル作品を発表する。

 バックグラウンドや制作手法も様々な10名のアーティスト。ポストコロナの時代に、それぞれのエネルギーあふれる表現を会場で堪能してほしい。

編集部

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