京都・妙心寺「令和妙心寺六景」が開催中。6名のクリエイターが表現した妙心寺の魅力

京都・妙心寺退蔵院で展覧会「令和妙心寺六景」が開催。タカヤマトシアキ、吉田誠治、NaBaBa、しまざきジョゼ、mocha、浪人が、妙心寺の名所をモチーフとした作品を展示している。会期は12月4日まで

 ピクシブ株式会社が、京都・妙心寺退蔵院で展覧会「令和妙心寺六景」を開催している。会期は12月4日まで。

 本企画は、金色世界プロジェクト委員会が主催する「天野喜孝生誕70周年プロジェクト『金色世界〜天野喜孝が描く無限の光〜』」(11月23日〜12月8日)にあわせて開催される、「天野喜孝『金色世界』特別企画」のひとつ。妙心寺にまつわる6つのモチーフを、6人のクリエイターが色彩豊かに描くものだ。

 妙心寺は1337年、第95代天皇・花園法皇により創建された。京都・花園にある広大な敷地には、46の塔頭寺院が立ち並び、三門、仏殿、明智風呂や、法堂の天井に描かれた狩野探幽の《雲龍図》、国宝の《梵鐘》と《瓢鮎図》など、貴重な文化財を数多く所有している。臨済宗妙心寺派の大本山であり、京都を代表する観光スポットのひとつだ。

 本企画は妙心寺の多くの文化財のなかから6つを選定し、クリエイターがそれぞれをモチーフに作品を描くもの。参加クリエイターと作品を紹介したい。

 《雲龍図》をモチーフに《令和雲龍図》を描いたのは、人物からクリーチャー、モンスター、メカなど幅広いジャンルのイラストを手がけるイラストレーター/キャラクターデザイナーのタカヤマトシアキ。雨中の法堂に渦巻くように現れる金色の龍を描いた。

タカヤマトシアキ 令和雲龍図

 吉田誠治は国宝の《梵鐘》が朝日に照らされる静謐な姿を描いた。数々のゲームにおいて世界観をつくりあげる美麗な背景を手がけてきたグラフィッカーならではの、情緒あふれる表現だ。

吉田誠治 国宝黄鐘調鐘

 《七堂伽藍》を描いたのは、ネオンカラーを取り入れたイラストで知られるNaBaBa。ゲーム業界を舞台に活躍する同氏ならではの、妙心寺の日常風景に溶け込む個性的なキャラクターが見どころだ。

NaBaBa 七堂伽藍

 イラストレーターとして数々の書籍や広告を手がけて、ドラマチックなイラストに定評があるしまざきジョゼは、《退蔵院しだれ桜》を描く。春の風物詩となっている退蔵院の満開のしだれ桜と僧侶が対峙する瞬間を表現している。

しまざきジョゼ 退蔵院しだれ桜

 リアルとファンタジーの狭間にある、存在しそうでしない風景や背景を描くmocha。《退蔵院紅葉》で退蔵院の豊かな色彩の紅葉が屋内の静かな空間と溶けあう、幻想的な光景を描き出した。

mocha 退蔵院紅葉

 コンセプトアーティスト・浪人による《国宝・瓢箪図と余香苑》は、退蔵院が所蔵する室町時代の画僧・如拙の水墨画《瓢箪図》にモチーフを得た作品。名園として知られる余香苑の池に《瓢箪図》に描かれたナマズを跳ねさせ、妙心寺が刻んできた表現の歴史を織り込んだ。

浪人 国宝・瓢箪図と余香苑

 これら6作品は、妙心寺の大休庵にて展示。晩秋の京都で妙心寺の新たな魅力を、イラストを通して感じることができるはずだ。なお、作品題字は題字は書道アーティスト・原愛梨が担当しており、その力強い筆致も見どころとなっている。

「令和妙心寺六景」展示風景
「令和妙心寺六景」展示風景

編集部

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