100ヶ国以上の作家が集まるアートマーケットプレイス「TRiCERA ART」。名和晃平とのNFTプロジェクトもスタート

オンラインによるアートマーケットプレイス「TRiCERA ART」を運営する株式会社TRiCERA。港区・高輪で展示スペース「TRiCERA MUSEUM」も運営し、今年10月には新たに資金調達するなど活動の幅を広げる同社が、11月12日に新たに名和晃平とのNFTプロジェクトをスタートさせる。

「TRiCERA ART」メインビジュアル

 2018年11月に設立された株式会社TRiCERAは「創造力に国境なんてない」を理念に、日本やアジア諸国をはじめ、世界中のアーティストが自由に作品を発信・販売できるオンラインアートマーケットプレイス「TRiCERA ART」を2019年より運営している。

 「TRiCERA ART」は、オンラインによる作家および作品の紹介・販売のプラットフォームを提供。顧客との交渉、集荷や配送、返品手配に至るまですべての作業を一貫して請け負うことで、アーティストがグローバルに活動できる仕組みをつくりだした。これはアーティストを支援するとともに、いまだ日の目を見ていないあらゆる作品を世に出すことで、消費者が見たことのないものに出会う機会を創出することを目的としている。1点ものの作品を中心に、エディションやイラストレーションまで幅広く取り扱い、消費者自らが、「アート」とはなんなのかを考えて探すための土壌を整えている。

海外向けの「TRiCERA ART」購入画面

 さらに、TRiCERAはECサイトだけでなく、展示スペース「TRiCERA MUSEUM」を港区・高輪で運営。実際に見たことのない作品をECサイトで購入するという形式に抵抗がある人が多いことを考慮したもので、定期的にサイトで取り扱っている作家の展覧会を実施し、オンラインとオフラインの両方で作家のプロモーションを行っている。

「TRiCERA MUSEUM」の展示の様子

 「TRiCERA ART」の登録作家数は2019年のオープン当時は約130名だったが、この3年間でおよそ4800名へと急増。その国籍も100ヶ国以上に及んでいる。また、総出品作品数は3万点を超え、月間流通総額も前年比3〜5倍と大きく伸びており、アジア最大級のアートプラットフォームへと成長している。

 さらに先進的な取り組みとして、NFTプラットフォームの提供も行なっており、アート作品のNFT化と取り引きを支援している。11月12日からは彫刻家・名和晃平とのNFTプロジェクトもスタート。同プロジェクトでは石巻市・荻浜に設置されているパブリック・アートの《White Deer (Oshika)》のNFTオークションを開始する予定で、こうした活動を通して、アートマーケットに新たな潮流をもたらすことを目指すという。

 同社の代表である井口泰は、その活動の理念について次のようにコメントしている。 「現代アートの人気は世界のマーケットにおいても活況で、ここ日本でも大きなブームになっています。その反面、まだまだ世の中には隠れた逸材といえるアーティストが存在しており、コレクターにそういった原石のようなアーティストの作品を知ってほしいという気持ちでTRiCERAをはじめました。今後、TRiCERAは様々な現代アートコレクターの需要に応えるために、ビジネスの幅を拡げていくことも予定。また、アーティストとの先鋭的、先進的な取り組みを進んで行っていき、アートマーケットの拡大の一助になればと考えています」。

井口泰

 今年10月には新たに1億9000万円の調達を行ったTRiCERA。ECサイト、ギャラリー、NFTと幅を広げるその活動の今後に注目だ。

編集部

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