数々の幻想文学の装画を手がけることで知られる画家・建石修志。その個展「断章─辿り着く紙片」が、神戸市のギャラリーロイユで開催される。会期は10月17日〜11月6日。
建石は1949年東京生まれ。1972年東京藝術大学卒業。73年に初個展を開催して以来、数多くの個展、グループ展を行っており、画集や絵本も多数出版している。また、2003年に休刊となった季刊誌『幻想文学』では創刊号から表紙画を務めたほか、中井英夫、久世光彦、皆川博子など小説の挿画も制作。これまでに手がけた書籍の装丁は、400冊を超える数となっている。
建石の作品は神話や博物誌を題材にしつつ、鉛筆画や油彩とテンペラの混合技法(アルキド樹脂絵具混合技法)による作品、箱によるオブジェ、コラージュなど、様々なメディアを横断することが特徴だ。様々なモチーフが薄い被膜のように重層的に重なり、ひとつの作品をかたちづくる。
本展では、澁澤龍彦『夢の宇宙誌』から着想した《紙片─イカルス》や、吉田一穂の誌「白鳥」を題材にした《白鳥座》など約30点を展示。建石が築く幻想世界に浸ってほしい。なお、作品はオンラインでも展示・販売予定となっている。