「六本木アートナイト」は2009年からスタートし、今回で第8回を数える一夜限りのアートイベント。六本木の街を中心に、夜通し数々のイベントが行われることで知られ、昨年は延べ63万人を動員した。
今年のテーマは「未来ノマツリ」。メインプログラム・アーティストに写真家の蜷川実花を迎え、フォトブースを含む複数のインスタレーションを行うほか、蜷川独自の色彩溢れるモチーフがそこかしこに展開されるという。また、今年は「東南アジア・プロジェクト」も実施。このプロジェクトでは、東南アジアのアーティストや、東南アジアにゆかりのある日本人アーティストを招聘し、様々な人との協働を通じて作品を制作・発表する。
六本木アートナイト実行委員会委員長で森美術館館長の南條史生は「日本でいま重要なのは文化。日本が示すべきものはクリエイティビティで、アジアの中でプレゼンスを示す必要がある」としながら、「東京にはトリエンナーレなどの芸術祭がないので、アートナイトで東京のクリエイティビティを可視化する。蜷川さんは初期の頃から知っていて、その多彩な色合いが『祭り』というテーマにぴったり」だと話す。
一方、蜷川自身も「今回のテーマは我ながら合っていると思う」とコメント。「ワクワクドキドキしながら準備しているところです。『六本木の夜』は響きが特別。それだけでワクワクする。六本木は大人が遊ぶ街というイメージが強かったけど、六本木ヒルズができてアートの要素が加わったことで安定した街になった。『祭り』って楽しいんだけど、猥雑なものもある、洗練されたものだけでなはい、というのが私の好みなのですごくやりやすい」。
南條は今回のアートナイトへの意気込みとして「数字的には去年を上回りたい。観客も国際化してほしいし、世界の中の日本、アジアの中の日本という視点を持ちながら楽しんでもらいたい」としている。