世界初公開作品も! 草間彌生、過去最大級の個展が来年開催

2016年4月、『タイム』誌の「世界で最も影響力のある100人」に日本人として唯一選ばれ、87歳の今なお、精力的に作品を制作し続ける草間彌生。その草間が2017年2月、東京の国立新美術館で過去最大級となる個展「草間彌生 わが永遠の魂」を開催する。9月28日に同館で行われた記者会見では本人が登壇、その様子をレポートする。

草間彌生と本展メインビジュアル

本展は第1部「21世紀の草間彌生」と第2部「20世紀の草間彌生」の2部で構成。第1部では近作から最新作までの約150点が展示され、第2部では、初期から90年代までの90点が紹介される。なかでも展覧会の核となるのが、草間が2009年から取り組んでいる大型の絵画シリーズ「わが永遠の魂」だ。本展ではそのなかから厳選された約130点を一挙に公開。全作品が日本初公開(世界初公開含む)という貴重な機会となる。

初期にはF100号(162×130.3cm)やS100号(162×162cm)のサイズも見られたが、現在ではS120号(194×194cm)に統一されている同シリーズ。現在、その作品数は500点を超えるほどのハイペースで、今も日々制作が続けられている。

連作というかたちをとりつつも、多様を極めている作品の数々。このシリーズについて本展の企画を務める国立新美術館の南雄介副館長は「草間彌生の70年間の歩みを集大成するように、具象的モチーフと抽象的モチーフが自由に組み合わさり、鮮やかな色彩を大胆に駆使し、これまでに見たことのないような生命感に満ちた絵画作品となっている。この連作がこれだけの数まとまって展示されたことは過去に例がなく、本展最大の話題となるだろう」と語った。

会見の最後に登場した草間彌生は「感謝の気持ちでいっぱいです」と本展が日本で開催されることへの謝意を示しつつ、「これから私は死に向かって、いっそう新しい芸術を開拓したい。私が死んだ後もどうぞ私の創造への意欲と、芸術への情熱を一つでも汲んでいただければ、これに勝る喜びはありません」と涙を浮かべながら語りかけた。

涙を浮かべて自らの人生を振り返る草間彌生

なお本展ではネット・ペインティングやソフト・スカルプチュア、ミラー・ルームなど、初期から最新作までの作品も勢ぞろいする。歳を重ね、いま最も円熟味を増した草間彌生を体感する重要な展覧会となるだろう。

編集部

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