吉岡徳仁が、「ミラノデザインウィーク2021」において、新作チェア「Medallion of Light」を発表した。
吉岡徳仁は1967年生まれ。倉俣史朗、三宅一生のもとでデザインを学び、2000年吉岡徳仁デザイン事務所を設立。デザイン、建築、現代美術の領域において活動。詩的な作品は国際的に評価されている。代表作には、オルセー美術館に常設展示されているガラスのベンチ「Water Block」をはじめ、クリスタルプリズムの建築「虹の教会」、結晶の椅子「VENUS」、ガラスの茶室「光庵」などがあり、東京2020オリンピック・パラリンピックでは聖火リレートーチのデザインを手がけた。その作品は、ニューヨーク近代美術館、フランス国立近代美術館など、世界各国の美術館に永久所蔵されている。
本作は、クリスチャン・ディオールの特別なアイコンのひとつであるメダリオンチェアをテーマとしたプロジェクト「THE DIOR MEDALLION CHAIR」に吉岡が参加したことから生まれたもの。椅子は364枚の透明なプレートが積層してできたもので、まばゆい輝きを放っている。
これまで光や自然をテーマに表現してきた吉岡。今回「THE DIOR MEDALLION CHAIR」に参加するにあたり、「不規則な光を生み出す自然のように、人間の感覚を超越する偶然性を持ったものを表現したいと思いました」と語っている。
「クリスチャン・ディオールで伝統的に使用されてきたメダリオンチェアは、18世紀のフランス王ルイ14世様式の椅子です。歴史と未来の融合を象徴するような新しい椅子を生み出したいと考えました」。
吉岡は新作のデザインにあたり、「光のレイヤーで椅子をつくること」を着想。そこから「光にもっとも近い素材である透明な樹脂を用いて、歴史的でありながら未来的な椅子を生み出すことを考えた」という。「364個の透明な樹脂のプレートをランダムに積層し、椅子を構成することで、自然が持つ美しさを表現しています」。