NEWS / HEADLINE - 2019.5.29

美術評論家連盟が「ICC出品作の改変に関する公開質問状」を提出

国際美術評論家連盟の日本支部にあたる美術評論家連盟(会長:南條史生)は5月26日付で、東日本電信電話株式会社とエヌ・ティティ ラーニングシステムズ株式会社に公開質問状を送付。これは、NTTインターコミュニケーション・センター[ICC]で開催された展覧会「オープン・スペース 2018 イン・トランジション」の出品作である吉開菜央の作品《Grand Bouquet/いま いちばん美しいあなたたちへ》への改変とその報道を受けての動きとなる。

吉開菜央《Grand Bouquet/いま いちばん美しいあなたたちへ》(2018)より、黒く塗りつぶされたシーンの一部

 NTTインターコミュニケーション・センター[ICC]で2018年から約1年間行われた展覧会「オープン・スペース 2018 イン・トランジション」。本展の出品作のひとつである吉開菜央の映像作品《Grand Bouquet/いま いちばん美しいあなたたちへ》の一部シーンが会期中、黒く塗りつぶされたかたちで上映されていたことが今年3月、吉開の手記によって明らかにされた

 このことに対して5月26日、美術評論家連盟(会長:南條史生)は「ICC出品作の改変に関する公開質問状」を、ICCを運営するエヌ・ティティ ラーニングシステムズ株式会社と、その親会社である東日本電信電話株式会社に送付、公開した。

 美術評論家連盟は、5月3日の朝日新聞の記事に掲載された以下のNTT東日本広報室の事情説明について、「このコメントをNTT東日本広報室がなされたのは事実でしょうか」と質問状内で投げかけている。

「様々な来場者が想定される。企業が運営する施設である以上、不快にさせる可能性があれば原則的に変更をお願いしている」「弊社が東京五輪のゴールドパートナー(大口スポンサー)であることもある」

 そして、芸術作品の内容に対する外部からの検閲、変更や干渉は、著作権および表現の自律性への侵害、損傷にあたるとの見解を示している。

 加えて、広報室の見解を活動の指針とするのであれば、ICCの活動スタンスを「一企業の広報センターと見なさざるを得ず、ICCの展示物も、つねに検閲や指導を含む事前許可を得た非自律的な広告と見なさざるを得なくなります」と指摘。

 美術評論家連盟は、問題の経緯説明と見解を6月15日までに回答するよう、東日本電信電話株式会社とエヌ・ティティ ラーニングシステムズ株式会社に要請。その回答は同連盟のウェブサイトにて公表予定となっている。