9月1日、北京のユーレンス現代美術センター(UCCA)は、中国河北省北戴河(ほくたいが)黄金海岸にある新館「UCCA砂丘美術館」の開館を発表した。UCCA砂丘美術館は、UCCA財団によって運営され、毎年企画展やプロジェクトが行われる。
2007年に北京に設立されたUCCAは、中国現代美術を代表する機関。中国の現代美術をグローバルな地位に導くことを目指し、北京の文化的ランドマークや国際交流の道筋となっている。
その分館となるUCCA砂丘美術館は、北京のOPEN建築事務所によって設計。渤海に面している建物の外観は、周囲の砂丘で覆われている。砂場で遊んでいる子供のイメージに触発された同館は、砂丘の下を掘り、相互につながった隠れた「洞窟」をつくり出している。その「洞窟」には、人類最初の生活と芸術的創造の場という意味があり、美術館は自然環境に溶け込んだ場所になる。
同館は、建築や自然環境との対話から生まれた展覧会が展開される場所とされており、秋に開催予定の「After Nature」と題されたこけら落としの展覧会では、中国の過去30年間の迅速な発展を背景に、人間と自然の関係の変化を探る。
北戴河にとって初の現代美術館である同館。UCCAはこの地域に世界レベルの展覧会をもたらし、ここでしか見られない美術を展開することを目指している。