2018.5.8

「女性のアーティスト・研究者はどのようにキャリアを築いていけばよいのか?」東京藝大でシンポジウムが開催

女性の生き方が多様化し、社会全体でジェンダーに関する価値観や規範が大きく揺れ動いているいま、女性アーティスト・制作者・研究者は、どのようにキャリア構築を行っていけばいいのか。そして、それらの人々のキャリア構築について、芸術系大学ができることは何か。様々な分野で教鞭を執る女性教員が、それぞれの専門分野や大学での経験や知見を語り合うシンポジウムが5月26日、東京藝術大学にて開催される。

東京藝術大学上野キャンパス正門 出典=ウィキメディア・コモンズ

 学生と教員のジェンダーバランスに不均衡が生じている状況のある芸術系大学。また社会全体では、女性の理工系研究者やビジネスリーダーの育成に関する取り組みが活発に行われ始めているのに対し、芸術系大学の多くではそれらの議論や議論が表に出ることは少ない。そのため女性の制作者・アーティスト・研究者らが社会で活動する上で必要なスキルや知識が共有されず、ロールモデルやキャリアパスが十分に可視化されていない状況が続いていると言える。

 こうした状況を踏まえ、「女性のアーティスト・研究者はどのようにキャリアを築いていけばよいのか?」というテーマで美術、音楽など様々なジャンルで活躍する女性教員が登壇するシンポジウムが5月26日、東京藝術大学にて開催される。

 2部からなる本シンポジウム。Part1では国谷裕子(キャスター、東京藝術大学理事・ダイバーシティ推進室長)が「今、女性の活躍に向けて伝えたいこと」として基調講演を行い、Part2「芸術分野における女性のキャリア構築を考える〜教育と実践の現場から〜」では、岡本美津子(東京藝術大学副学長)司会のもと、内田あぐり(武蔵野美術大学日本画学科教授)、内山博子(女子美術大学芸術学部アート・デザイン表現学科 学科長・教授)、岡田敦子(東京音楽大学教授)、金子仁美(桐朋学園大学音楽学部教授)、熊倉純子(東京藝術大学大学院国際芸術創造研究科長 アートプロデュース専攻教授)、福中冬子(東京藝術大学音楽学部楽理科教授)がパネルディスカッションを行う。

 女性の生き方が多様化し、社会全体でジェンダーに関する価値観や規範が大きく揺れ動いているいま、女性のアーティスト・制作者・研究者は、どのようにキャリア構築を行っていけばいいのか。また、そうした人々のキャリア構築について、芸術系大学ができることは何か。各分野や大学における経験、知見を踏まえた語り合いの場となる。