日仏友好160年を迎える2018年、これまでにない「ルーヴル美術館展」が開催される。
「ルーヴル美術館展 肖像芸術–人は人をどう表現してきたか」と題された本展では、ルーヴル美術館が誇る肖像の傑作約110点が来日。同館を構成する8つの部門ー古代オリエント美術、古代エジプト美術、古代ギリシャ・エルトリア・ローマ美術、イスラム美術、絵画、彫刻、美術工芸品、素描・版画が全面協力し、古代から19世紀にいたるまでの「肖像芸術」を展示する。同館は2005年より日本で4つの展覧会(05年、06年、09年、15年)を開催してきたが、肖像芸術にフォーカスした展覧会は今回が初めて。
展示構成は「マスクー 肖像の起源」「記憶のための肖像」「権力の顔」「コードとモード」「アルチンボルドー肖像の遊びと変容」の5セクション。
ハイライトとして、27年ぶりの来日となるヴェネチア派の巨匠・ヴェロネーゼ(本名=パオロ・カリアーリ)の《美しきナーニ》(1560頃)をはじめ、皇帝ナポレオンを題材にした作品は4点出品。その中にはアントワーヌ=ジャン・グロによる《アルコレ橋のボナパルト(1796年11月17日)》(1796)、アンヌ=ルイ・ジロデ・ド・ルシー=トリオゾンの工房が手がけた《戴冠式の正装のナポレオン1世の肖像》(1827)も含まれている。
また、ジャック=ルイ・ダヴィッドと工房による《マラーの死》(1794頃)、メッサーシュミットによる自分の顔をモデルにした頭部像《性格表現の頭像》(1771-83)、そしてジュゼッペ・アルチンボルドの連作「四季」から《春》(1573)と《秋》(1573)なども展示。「肖像芸術」という言葉でくくられながらも、その制作動機や主題は多種多様だ。本展は展覧会タイトルにある通り、いかにして人は人を表現してきたのか、を紐解くものとなっている。
本展ではオフィシャルサポーターに俳優の高橋一生が就任。記者会見に登壇した高橋は、「日仏友好160年の節目の年にオフィシャルサポーターに選んでいただき、ありがたく思っています。ふだんから芝居をしていて顔の表現に興味があるので、先人たちの美術を見て勉強できればと思っています」とコメント。「メッサーシュミットは何をもってこういう頭像をつくり続けたのか興味深いですね」と気になる作品についてもコメントを残している。
なお、主催の日本テレビとルーヴル美術館は2018年以降の20年間で全5回の「ルーヴル美術館展」を開催することに合意しており、本展はその第1弾として位置づけられている。