2002年から4回にわたり開催され、総来場者数は180万人超を動員したプラド美術館展。その5度目となる「プラド美術館展 ベラスケスと絵画の栄光」が2018年2月から国立西洋美術館で開催される。本展はスペインの巨匠であるディエゴ・ベラスケスと彼を取り巻く17世紀絵画のコレクションを網羅する、いわばプラド美術館の真髄を紹介する展覧会となっている。
ベラスケスが活躍した17世紀スペインは、数多くの芸術家の輩出、そして国王らによる芸術の擁護と収集によりまさに「黄金時代」を迎えていた。本展の主題は、そのベラスケスの表現の独創性、そして背景となったスペイン国王によるコレクションの国際性だ。
本展ではベラスケスの作品として《王太子バルタサール・カルロス騎馬像》(1635年頃)をはじめ《フアン・マルティネス・モンタニェースの肖像》(1635年頃)など7作品が来日。日本の展覧会では過去最多の出品数となる。
本展では絵画で扱われた様々なテーマを分類し、「芸術」「知識」「神話」「宮廷」「風景」「静物」「宗教」の7つの章に分け、さらにそれらの章の理解を深めるために、プラド美術館図書室に所蔵される17世紀の重要な美術理論書のオリジナル初版本も展示する。
それぞれのテーマの中で、異なる国や流派を混ぜ合わせて展示することで、ベラスケスの独創性をたどる。