「マツモト建築芸術祭2026 ADVANCE」第2期が開幕へ。李禹煥、チームラボ、ジュリアン・オピーら18組が参加【2/2ページ】

 まつもと市民芸術館には、イギリスを代表する現代美術家のひとり、ジュリアン・オピーが登場。韓国・釜山の海辺を行き交う人々を簡潔な輪郭と色彩によって立体化した彫刻シリーズ「Busan Walkers」を展示する。

 また旧司祭館では、1階に李禹煥、2階に福井江太郎の作品を展示。両者はそれぞれ、浮世絵木版画の技術を継承するアダチ版画研究所と協働した作品を発表し、現代美術と日本の伝統的な木版技術との関係を提示する。

 旧松本区裁判所庁舎では、米谷健+ジュリアによる全長約9メートルの塩の彫刻《最後の晩餐》を展示。同作は今回の芸術祭のメインビジュアルにも採用されている。

 今回の大きな特徴となるのが、会場エリアの拡大だ。これまで中心市街地を軸としてきたが、今回は「城下町」「旧六九商店街」「浅間温泉」「西」の4エリアへと展開。とりわけ初めて加わる浅間温泉では、かつて芸妓が稽古を行った旧浅間温泉芸苑組合、大正期に建てられた私設図書館の松門文庫、老舗旅館の大浴場を改修したブックホテル・松本本箱、空き家となった旧土産物店という、異なる歴史と状況を持つ建物が会場となる。ここでは鬼頭健吾、大垣美穂子、中島崇が作品を展開する。

 歴史的建築の保存や再生だけでなく、使われなくなった建物が抱える問題も含めて都市を見せる今回の構成。アート作品を目的地として街を歩くことで、建築や地域が重ねてきた時間そのものを発見するマツモト建築芸術祭ならではの体験が、これまで以上に広いエリアへと展開されることになりそうだ。

編集部