6世代にもわたる歴史を持つ、イタリアの老舗ブランド「ロロ・ピアーナ」が昨年6月、東京・銀座の中央通りにオープンさせた旗艦店「ロロ・ピアーナ 銀座店」。うねるようなファサードが特徴的で、すでに銀座のアイコニックな存在のひとつとなっている。この建築に迫る個展が「青木淳展 – The Touch Of Architecture」(4月16日〜5月9日)だ。
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同店の設計は、青森県立美術館や京都市京セラ美術館など数々の美術館建築も手がける青木淳。青木はこの建築を設計するにあたり、ロロ・ピアーナが誇るベビー・カシミアやビキューナといった素材の手触りからインスピレーションを得たという。
「製品に触れてまず印象的だったのは、ビキューナやベビー・カシミヤといった貴重な素材の感触でした。非常に滑らかで、素肌にふれてもチクチクしない、これまで体験したことのないものでした。温かみがあるのだけどシャープで、視覚的に表現するならば光沢に近いとおもいました。ブランドカラーであるクンメルも、レンガ色なので温かく重みがあるのだけれど、生地に触れるとツルっとしています。本来共存しそうにない要素が、ロロ・ピアーナでは共存し得るのです」。
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こうした触覚を建築で表現したロロ・ピアーナ 銀座店。今回の個展では、印象的な銀座店のファサードデザインが、青木の思考のなかでどのように生み出され、実際に形となったのかが資料と映像で紹介される。
スペースのいっぽうには青木がこれまで手がけてきたプロジェクトのスケッチブックや材料の一部を展示。その対面には青木が着想源としたロロ・ピアーナのビキューナやベビー・カシミヤなどの素材が置かれる。また会場中央では、薄い柔らかなファブリックを重ねたスクリーンに、銀座店が誕生するまでの軌跡を追った映像をブランドのストーリーとともに投影。ファサードが誕生するまでの過程を、視覚と触覚の両方で確かめてほしい。
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