抽象表現主義からミニマル・アートへの系譜を探る。「Fragments of a landscape (ある風景の断片) 」(エスパス ルイ・ヴィトン大阪)
ルイ・ヴィトンのアートスペース「エスパス ルイ・ヴィトン」。その国内2つ目となる「エスパス ルイ・ヴィトン大阪」が2月10日、ルイ・ヴィトン メゾン 大阪御堂筋内5階にオープンした。
そのオープニングとして、アメリカを代表するふたりのアーティスト、ジョアン・ミッチェルとカール・アンドレの2人展「Fragments of a landscape (ある風景の断片) 」展が開催されている。ジョアン・ミッチェル(1925〜1992)は50年代に画家としての活動をスタートさせ、第二次大戦後に抽象表現主義の旗手となった。いっぽうのカール・アンドレ(1935〜)は、フランク・ステラの影響を色濃く受け、独自のスタイルを確立。70年代初めにミニマル・アート運動を牽引した彫刻家として知られる。
本展は、ジョアン・ミッチェルの巨大絵画2点と、カール・アンドレの彫刻作品1点によって展示を構成。ミッチェルの三連画《Untitled》(1979)と二連画の《Cypress》(1980)は、ともに力強い筆致がエネルギーを感じさせる作品。アンドレの《Draco》(1979-2008)は、31個ものパーツからなる材木を組み立てた全長約19メートルにもおよぶ作品だ。ふたりの展示から、抽象表現主義からミニマル・アートへと移り変わっていく美術の潮流を読み取りたい。
会期:2021年2月10日〜7月4日
会場:エスパス ルイ・ヴィトン大阪
住所:大阪市中央区心斎橋筋2-8-16 ルイ・ヴィトン メゾン 大阪御堂筋 5F
電話番号:0120-00-1854
開館時間:12:00〜20:00
休館日:ルイ・ヴィトン メゾン 大阪御堂筋に準ずる ※詳細はエスパス ルイ・ヴィトンHPにて確認のこと
料金:無料
70年代から近年までの制作活動を振り返る。「堀浩哉 回顧展」(√K Contemporary)
1970年代から様々な表現方法を自己に落とし込み、各時代の芸術活動を牽引してきた堀浩哉の回顧展が、東京・神楽坂の√K Contemporaryで開催される。
同展は、PARTⅠ(初期から中期の絵画)とPARTⅡ(2015年以降の近作絵画)の2セクションで構成される展覧会で、初期から近作までの堀作品の変遷を見ることが可能。また、国内外で作品を発表してきた堀の、国内未発表作品も出展される。
PARTⅠでは、70年代よりパフォーマンスやインスタレーションを繰り返した堀が、絵画に専念していった80年代の作品を紹介。80年に発表された「エリゼの肖像へ」シリーズや、ベネチアビエンナーレに参加した《絵画》(1984)などが展示される。PARTⅡは「滅びと再生の庭」と題して、2015~19年に描かれた近作を展示する。
会期:2月13日~ 3月26日
会場:√K Contemporary
住所:東京都新宿区南町6
電話番号:03-6280-8808
開館時間:11:00〜19:00
休館日:日、月、祝日
料金:無料(地下の堀浩哉+堀えりぜ《記憶するために―わたしはだれ?》(2019/2020)の展示は800円)
新収蔵品92点を一挙公開。「Steps Ahead 新収蔵作品展示」(アーティゾン美術館)
近年、印象派や日本近代洋画など従来の核となるコレクションを充実させるいっぽう、抽象表現を中心とする20世紀初頭から現代までの美術、そして日本の近世美術にいたるまで、その幅を広げているアーティゾン美術館。
新たなコレクションの一部は開館以来少しずつ紹介されてきたが、まだ公開されていないものもある。こうした新収蔵品約92点を中心に公開する展覧会が「Steps Ahead: Recent Acquisitions 新収蔵作品展示」だ。
本展は、新収蔵品を含む約250点で構成。キュビスムの作品や、ジョアン・ミロ、マルセル・デュシャン、オノサト・トシノブらによる絵画・彫刻、さらに抽象表現主義の女性画家たちも紹介。さらにリー・クラズナー、エレイン・デ・クーニング、ヘレン・フランケンサーラー、ジョアン・ミッチェルの作品も展示される。
会期:2月13日〜5月9日
会場:アーティゾン美術館
住所:東京都中央区京橋1-7-2
電話番号:050-5541-8600
開館時間:10:00〜18:00(毎週金の夜間開館は当面のあいだ中止)※入館は閉館の30分前まで
休館日:月(ただし5月3日は開館)
料金:当日チケット(窓口販売)1500円 / ウェブ予約チケット 1200円 / 学生無料(要ウェブ予約)/ 中学生以下はウェブ予約不要 ※日時指定予約制