東京国立博物館が、その一部をVRで再現したバーチャルミュージアム「バーチャル東京国立博物館(以下、バーチャルトーハク)」を開設する。
このバーチャルトーハクは、東博と独立行政法人国立文化財機構文化財活用センター、そして凸版印刷株式会社が協働して行うもので、同館は「これまで実現できなかったキュレーションや展示演出、 さらに国内外からの時空にとらわれることないアクセスを可能にし、 ニューノーマル時代の新しいオンライン文化鑑賞体験を提供する」としている。
そのローンチとなる12月19日には、東博の一部を「バーチャルトーハク」としてバーチャル空間内にCGで再現し、その空間内に細田守監督作品『時をかける少女』の劇中シーンのために企画された、現実では実現できない特別展「アノニマス―逸名の名画―」を出現させる。
『時をかける少女』の作中においては、東博をモデルとした博物館が登場。そこではストーリーで重要な意味を持つ架空の美術作品《白梅ニ椿菊図》を中心とし、様々な作品が並ぶ展覧会が行われていた。今回の「アノニマス―逸名の名画―」は、バーチャル上でその展覧会を再現するというものだ。
同展では東博研究員・松嶋雅人の監修のもと、国宝《孔雀明王像》や、《玄奘三蔵像》(ともに東京国立博物館蔵)など、作者が不明とされながらも名品として脈々と受け継がれてきた作品を展示。映画では全容が明らかにされていない展示内容を公開する。
ユーザーは、スマートフォンやPC、VR機器など様々な環境からバーチャル空間に集って遊べる、マルチプラットフォーム対応のバーチャルSNS「cluster」を通して、自由にその空間内を歩き回り作品を鑑賞することが可能となる。