──今回、展覧会に出していただいている作品は監視カメラの映像のみでつくり上げられた映画作品です。シュさんはこのメイキングフィルムのなかで、「この映画で提示したいのはいまの時代、既存の概念は通用しないということだ。そして肖像権は受動的で客接的で、既存の知識では現在の肖像権の在り方は定義できない。そして監視の在り方もまた同じで定義できない。 既存の法律は監視技術の発達前につくられたために、複雑な状況に対応できない。 監視とは何か。その定義は制作中にも変化した。実際、すでに現在はポスト監視社会だ。すべての概念に違和感が生まれた」とおっしゃっていました。 具体的にそれはどのような変化ですか? またパンデミックを経て、さらに変化しましたか?
まず監視の認識ですが、私はどのプロジェクト、作品でもなんらかの問題を掘り下げたい気持ちがあります。プロジェクトや作品は、私に深く考える機会を与えてくれるものですから。