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2018.10.23

知られざる特典も? 美術館「友の会」の会員特典をチェック

美術館の活動をサポートし、展覧会の割引などの様々な優待を受けられる「友の会(メンバーシップ制度)」。そのなかから、編集部注目のサービスを実施する美術館を2回にわけてピックアップ。リピーターにはたまらない特典から、知られざる特典まで紹介する。

Art Center Ongoing
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森美術館(東京・六本木)

 六本木ヒルズ森タワー最上層に位置し、世界の先鋭的な現代美術や建築、デザインなど、独自の視点で多彩な展覧会を企画している森美術館は「都心の文化発信地」として人気を集めている。

 森美術館のメンバーシップ・プログラム「MAMC(マムシー)」は、現代アートの輪を広げることを目指して、アートファン同士の交流やアーティストの活動支援を目的としている。

 展覧会の一般会期に先立って行われる内覧会・レセプションに、同伴者とともに招待されるほか、アーティストと交流できるイベントも用意。作品誕生の背景や制作過程を深く知ることで、現代美術の本質に迫ることができる。

年会費:フェロー 22000円 / ベネファクター 44000円
主な特典: 展覧会への無料入館、メンバーズイベントへの参加ほか(詳細はウェブサイト参照)
住所:東京都港区六本木6-10-1 六本木ヒルズ森タワー53階
電話番号:03-5777-8600
 

三菱一号館美術館(東京・丸の内)

チラシ

 JR東京駅・丸の内南口から徒歩5分に位置し、「近代美術中心の展覧会を開催する丸の内の美術館」として運営を行っている三菱一号館美術館。アンリ・ド・トゥールーズ=ロートレック、オディロン・ルドン、フェリックス・ヴァロットンの作品など、19世紀西洋美術を中心に所蔵している。

 そんな三菱一号館美術館のサポーター制度、通称「MSS」では、入館料が無料になる特典に加え、休館日にサポーター限定の貸切鑑賞会を1展覧会につき1回実施しており、音声ガイドの無料貸出などといった当日限定のサービスも。静かな空間で、いつもとは違う贅沢な観覧が楽しめる。

年会費:MSS(本人と同伴者1名まで) 7500円 / MSS-mini(本人のみ) 4000円
主な特典:入館料無料、同伴者割引、提携施設の割引ほか(詳細は公式ウェブサイトを参照)
住所:東京都千代田区丸の内2-6-2
電話番号:03-5777-8600
 

Art Center Ongoing(東京・吉祥寺)

外観
会報

 Art Center Ongoingは、おもに現代アーティストの展示を行うギャラリースペース、カフェ&バースペース、ライブラリーブースを併設する芸術複合施設。シンポジウムやライブイベントも積極的に行うなど、アートを中心に、様々な人々が集える場所を目指している。

 「Art Center Ongoing 友の会」では入場料が無料になる特典のほか、「Art Center Ongoing」の文字がデザインされた会員限定の特製Tシャツを贈呈している。

 月2回のペースで開催される展覧会を通じて、多種多様な実験的作品を紹介しているArt Center Ongoing。その友の会は「現在進行形の表現」をサポートすることになるだろう。

年会費:8000円
主な特典:ギャラリーの年間入場無料、会報の発行および展示企画のご案内、各イベントの優待ほか(詳細は公式ウェブサイトを参照)
住所:東京都武蔵野市吉祥寺東町1-8-7
電話番号:0422-26-8454
 

福島県立美術館(福島県福島市)

ミュージアムコンサート
絵画教室

 関根正二を中心とした福島県出身の画家を含む近現代の絵画から、アメリカ具象絵画までをコレクションする福島県立美術館。

 そんな福島県立美術館の友の会は、会員同士で語らうことのできる研修旅行のほか、企画展のレセプションパーティー、映画鑑賞会といったイベントが用意されている。人々との触れ合いを通じて、アートとより密接な関係を築くことができるだろう。

年会費:大人・大学生 1500円 / 高校生 1000円 / 小・中学生 500円 / サポート会員 10000円
主な特典:館内レストラン割引、会報送付ほか(詳細は公式ウェブサイトを参照)
住所:福島県福島市森合字西養山1番地
電話番号:024-531-5511
 

日本民藝館(東京・表参道)

日本民藝館

 日本民藝館は、民藝運動の第一人者として知られる柳宗悦により企画され、1936年に設立された博物館。初代館長には柳宗悦が就任、2代目は陶芸家の濱田庄司、3代目は宗悦の長男でプロダクトデザイナーの柳宗理、4代目は実業家の小林陽太郎、そして現在はプロダクトデザイナーの深澤直人が館長職を継いでいる。

 「民藝品の蒐集や保管」「民藝に関する調査研究」「民藝思想の普及」「展覧会」を主たる仕事として、手仕事の美しさを取り入れた豊かな生活を実践することを目的としている同館。 

 「友の会」に入会すると、会員証の提示で大阪日本民芸館および鈴木大拙館の入館料が無料になるほか、世田谷美術館に割引料金で入館することができる。また、民藝運動に関連した手仕事の窯場・工房への見学会が実施されており、愛好家にはたまらない内容となっている。日本各地の「手仕事」の文化の興隆に注目したい。 

年会費:一般 5000円 / 学生 3000円
主な特典:入館料無料ほか(詳細は公式ウェブサイト参照)

 

和歌山県立近代美術館

和歌山県立近代美術館

 近・現代版画の収集や紹介に力を入れ、郷土作家を中心に、国内でも屈指のコレクションを充実させてきたいっぽうで、ピカソやルドンなどの海外の版画作品も所蔵する和歌山県立近代美術館。明治時代から現代までの日本画、油彩画、彫刻、版画などの1万点を越すコレクションを有している。

 そんな和歌山県立近代美術館友の会ならではの特典が、版画のプレゼントだ。版画作品の作家は毎年変わり、過去には古本有理恵や舟田潤子などの作品も。

 そのほか、美術鑑賞ツアーやミュージアムコンサート、バックヤードツアーなどの友の会主催行事への参加や、和歌山県の一部ホテルの割引など盛りだくさんな内容。日本の近代美術史に名を残した作家を多く輩出した和歌山県で、その知られざる魅力をチェックしたい。

年会費:一般会員 6000円 / 学生会員 3000円 / 賛助会員 30000円
主な特典:展覧会の入場無料、友の会の主催行事に参加ほか(詳細はウェブサイト参照)
住所:和歌山県和歌山市吹上1-4-14
電話番号:073-436-8690

 

那覇市立壺屋焼物博物館

陶芸体験教室の様子

 陶器工房や販売店が点在する街並みの一角にある那覇市立壺屋焼物博物館は、壺屋焼をはじめとする沖縄の焼物の歴史や現在、そして将来を読みとる目的でつくられた。

 壺屋焼物博物館友の会では「壺屋」と「沖縄の焼物」の素晴らしさに触れ、壺屋地域発展への貢献をめざして、地域のイベントなどに参加。主催事業には、工房・史跡めぐりや体験教室などがある。

 長い歴史を持つ人類の文化遺産である焼物。そのルーツを探ることで、まち並みの発展につなげようとする試みに注目したい。

年会費:普通会員 1500円 / 賛助会員 一口10000円
主な特典:観覧料無料、友の会主催事業の優先参加ほか(詳細はウェブサイト参照)
住所:沖縄県那覇市壺屋1-9-32