EXHIBITIONS

四谷シモン「人形とパステル画」展

© Simon Yotsuya

 Galerie LIBRAIRIE6 / シス書店は、四谷シモン「人形とパステル」展を開催している。5月29日まで。

 四谷は1944年東京・五反田生まれ。タンゴの楽師である父、ダンサーの母という芸能一家で育つ。小学生の頃から人形をつくり始めると、10代半ばで人形作家・川崎プッペを訪ね、17歳の時、一時ぬいぐるみ人形作家水上雄次の内弟子に。歌手のニーナ・シモンが好きだったことから「シモン」の渾名が付く。1965年、雑誌『新婦人』に掲載されていた、澁澤龍彦の紹介によるハンス・ベルメールの球体関節人形を見て衝撃を受け、それまでの人形制作方法を捨てることとなった。人形とは「人のかたち」であり関節で動くもの、人形とは人形そのものであると悟った四谷は、以後、独学で球体関節人形の制作を始め、新しい人形表現の地平を切り拓いた。

 澁澤龍彦、また唐十郎とは金子國義を通じて交流。1967年、唐十郎の状況劇場の芝居『ジョン・シルバー新宿恋しや夜鳴篇』に女形として出演、1968年3月から6月にかけては、状況劇場の紅テントの芝居『由井正雪』にて「的場のお銀」役を演じた。このときから「四谷シモン」の芸名を使う。1971年まで状況劇場の役者として活動。現在は、日本における球体関節人形の第一人者として国内のみならず、海外からも高く評価されている。

 本展では「未来と過去のイヴ」から近年に制作された3体の人形と、新作パステル画など、四谷の半世紀にわたる作品を紹介。またオンライン展覧会もあわせて公開中だ。