EXHIBITIONS

七星夢海個展「花」

七星夢海 Always have a flower in your heart.『心の花』

 七星夢海(ななほし・むう)は、ファンタジーの世界をキャンバスに表現するアーティスト。その個展「花」が銀座 蔦屋書店 アートウォールギャラリーで開催される。

 七星は広告代理店でアートディレクターとして勤務したのち、アーティストに転身。「Rinkle」シリーズでは、自然や宇宙をテーマにした作品を制作。七星が描く生き生きとしたキャラクターは、地球や宇宙の様々な自然環境を旅し、私たちの存在や身の回りのものの起源について考えさせてくれる。

 2016年には、立体的にマチエールを使い、「苺金魚」「苺大福」などのドリーミーなモチーフと色彩を特徴とする絵画で、リスボン・オリエンタル博物館「Heart Art in Lisbon」にて金賞を受賞。続いて東京都美術館での「精鋭作家展」(2016・2017)で入選するなど、アーティストとしての評価を獲得し、現在は東京を拠点に国内外で活動している。

「生も死も、苦しみも喜びも、すべて同じバランスで存在し、時間、空間、場所、何もかもを超えて、世界はすべて繋がっている」と話す七星。幼い頃から指や石、木片を使って絵を描くことに没頭していたという作家は、日常的にキャラクターや宇宙を幻視し、夜は映画のように鮮明な夢を見るという、現実と夢の境界が曖昧になる体験をしてきた。

 海や空、大地と宇宙、その住人たるキャラクターたち、そして万物の起源に至るまで、強烈な幻視体験をもとに生み出される七星のヴィジョンは、朧げな夢の領域を飛び越え、確信に近いリアリティをもってキャンバスに広がっていく。

「花」と題された本展では、世界の平和や調和への思いを花のモチーフに込め、新作を発表。折々で感じる自身の苦悩や喜び、悲しみを織り交ぜ、生命や宇宙の存在を鮮やかに表現する七星の作品世界を堪能してほしい。