⼭本れいら「Who said it was simple? 」

　今年3月にオープンしたRitsuki Fujisaki Galleryの展覧会第2弾は、シカゴ美術館附属美術⼤学で学んだ現代アーティスト、⼭本れいらによる個展「Who said it was simple? 」を開催している。

　⼭本は1995年東京都⽣まれ。10代で渡⽶し、シカゴ美術館附属美術⼤学に進学。在⽶中に体感した⽇⽶の⽂化間のギャップを重要なテーマのひとつとして作品を制作している。現在は⽇本を拠点としており、滞⽶経験を持つ⽇本⼈作家としての視点が、同時代のアーティストのなかでも⼭本を際⽴たせる特徴になっている。

　2020年のグループ展「New New New Normal」（GALLERY MoMo Projects）では、妊娠・出産への社会的抑圧をテーマに、カール・マルクスやマーガレット・アトウッド（小説『侍女の物語』『請願』で知られるカナダの作家）の言葉を組み込んだ作品シリーズを発表。昨年の個展「After the Quake」（Souya Handa Projects）では、震災と原発事故を起点に原子力をめぐる日米関係をモチーフとした作品群を展示した。

　作家にとってコマーシャルギャラリーでの初個展となる本展は、3つの新シリーズ「Who said it was simple? 」「Flawless」「I hate flowers」で構成される。男性の視点に偏って提⽰されてきたアニメカルチャーに対して、⼥性からのフェミニズムの解釈を加えた作品を通して、新たな視点をつくり出す。