EXHIBITIONS

芸術の流通 久松知子展

久松知子 絵画の流通 2022

久松知子 芸術の流通 2022

久松知子 流行会の人々 2022

 久松知子は、歴史的・土着的なコンテクストを足がかりに鋭く美術界の現況を表現してきた画家。その個展「芸術の流通」がMITSUKOSHI CONTEMPORARY GALLERYで開催される。

 久松は1991年三重県生まれ。2014年に東北芸術工科大学芸術学部美術科日本画コースを卒業後、2017年に同大学修士課程芸術工学研究科芸術文化専攻日本画領域を修了。日本の芸術史観を独自の着眼点で解釈した作品を描き、絵画《レペゼン 日本の美術》で第18回岡本太郎現代芸術賞岡本敏子賞を、《日本の美術を埋葬する》で第7回絹谷幸二賞奨励賞を受賞し、一躍話題となった。

 本展で久松は「芸術の流通」に着目。作品発表の舞台裏にある情景や、埋もれていた美術品取引の歴史を可視化する。

 とくに、1969年に三越で開催されたサザビーズ社のオークションや、1988年のロンドンのクリスティーズ社でのピカソの名画の落札など、三越の美術部と国内外との取引の歴史にまつわるエピソードに取材した作品など、新作約20点を展覧する。

 アートの価値付けと作品の流通、そこに携わる人々について、サイトスペシフィックな歴史や物語のテクストをひも解きながら再考し、楽しんでもらえる機会になればとしている。