EXHIBITIONS

横尾忠則 HANGA JUNGLE

横尾忠則 ターザンがやってくる(緑) 1974 横尾忠則現代美術館蔵

横尾忠則 風景No.13 赤猫 1969 個人蔵

 横尾忠則は1960年代にアンダーグラウンド演劇のポスターをエロスと妖しさがただよう総天然色のデザインで制作して以来、グラフィズムによって時代の流行をつくりだし、日本文化をリードするデザイナーとして注目を浴びてきた。それ以後「時の人」としてさまざまなメディアに取り上げられますが、その一方で積極的に版画の制作。1982年に「画家宣言」を発した後もペインティングと併行して、版画の枠を超えた作品を制作し続けている。

 本展のキーワードは「HANGA」と「JUNGLE」。世界的に通用する「HANGA」という英単語の使用には、伝統的イメージが付随する「版画」とは違う、「超版画」であるという意味を含ませているという。また「JUNGLE」は、横尾の表現の多様性とジャングルのイメージを重ね合わせたキーワード。直感と衝動によって森羅万象を描いた作品群は、生物の共生によって多様で複雑な生態系を形成する、原始のジャングルを想起させるだろう。

 本展はこれら2つのキーワードに沿って、1960年代から最新作までの版画作品ほぼ全点にあたる約230点とポスター約20点を展示する。