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永島健司 個展「蜃気楼」

イメージビジュアル

永島健司 アパートとそれに対するイメージ 2020

永島健司 散歩中に見た風景と植物 2020

永島健司インタビュー動画 聞き手・アラン 2022

 パープルームギャラリーは、永島健司による個展「蜃気楼」を開催する。会期は4月9日から4月17日まで。

 活動開始から8年、パープルームはつねに「美術とはなにか」という問いを軸としてきた。コロナ禍以降は、相模原市のパープルームギャラリーを主な拠点とし、地に足がついた活動に取り組めているいっぽうで、「初期のパープルームが持っていた得体の知れなさ、誰もが参加できるかもしれないという可能性と流動性は失われつつあるのかもしれない」という。

 もうひとつの変化は、「パープルーム予備校生」から「パープルームメンバー」へメンバーが固定化され、より結束力が強まったこと。安定した状況が倦怠期ともとれるなか、今回個展を開催する永島健司からパープルーム予備校への入塾の希望が寄せられた。

 1995年にバーレーンで生まれた永島は、ファッションの専門学校を卒業後、美術の道を志して美術予備校で絵画を学んだ経験を持つ。現在は「パープルーム住人」として相模原市に住み、この街を気に入って活動し、絵画作品を制作している。

 本展は、永島の初個展であり、新たに始まった交流をきっかけとして、パープルームの活動や存在理由をふり返るもの。パープルームのメンバーであるシエニーチュアンと、最近では美術への関心を失いつつあるというアランとともに、永島の作品、そしてその制作動機も含めてパープルームがキュレーションしひとつの展覧会にまとめ上げる。

 パープルーム主宰の梅津庸一は、「本展はあくまでも永島個人に帰属する絵画作品が主軸の展覧会である」とコメント。また、「パープルームという集団はメンバーが協働し1つの作品やプロジェクトをつくることよりも個々がそれぞれに作品をつくり活動することを優先している。それは、パープルームにおける協働が作品を一緒につくるコラボレーションのような領域よりも、制作とも運営ともつかないやりとりが疑似家族のような領域で行われることを意味している。本展では永島の絵画作品と共に作品でも運動でもない営みとしてのパープルームが蜃気楼のように像を結ぶはずだ」と述べている。