EXHIBITIONS

板垣晋「自然と足並みをそろえる」

フジギャラリー新宿
2022.04.01 - 04.28

板垣晋 Mountain 2022

板垣晋 Mountain 2021

板垣晋 Mountain 2021

板垣晋 Mountain 2021

板垣晋 I, Seals, and Winds 2021

板垣晋 I, Seals, and Winds 2021

板垣晋 Sweet Sweet Home 2021

 フジギャラリー新宿は、板垣晋(いたがき・しん)の個展「自然と足並みをそろえる」を開催している。

 板垣は1990年生まれ、山形県出身。2012年に茨城大学工学部を、17年に東京デザイン専門学校を卒業。国内外でのアーティストインレジデンス・滞在制作を行い、その土地固有の事柄をモチーフにした油彩画やインスタレーションなどを制作している。近年の活動に、21年、ユニクロとニューヨーク近代美術館が主催したUTGP2020 + MoMAを受賞。22年にはKunstraum LLC(ニューヨーク)にてアーティストインレジデンスに参加予定だ。

 本展では、板垣が21年のアイスランドでの滞在制作で手がけた作品を紹介する。

 本作品は、厳しい環境のため手つかずの自然が多く残る火山と氷の島・アイスランドと、そこでたくましく生きるヴァイキングの末裔の歴史・現在を参照し制作された。

 滞在先近くの海辺から見える山をモチーフとした油彩画《Mountain》、野生のアザラシと凧あげで戯れる映像《I, Seals, and Winds》、茹でられる卵と地熱発電の関係性についての映像《Sweet Sweet Home》など、ある土地で起こる局地的な事象に着目することで、人間の根源を明らかにする作品群が展開される。

「私のテーマは、社会的な人間から生き物のヒトを手繰り寄せて、自分に親密にいる為の実践についてです。

どこに行っても、制作を始める前にまずその街を歩き回ります。制作のモチーフを探し回っている訳ではなく、最低でも1日2、3時間、晴れた日は7、8時間ただ歩くことを毎日繰り返します。すると文化、地理、政治、経済など平面的な知識でしかなかったその土地が身に迫り、自己反復的な思考から広がりを持ち始めます。言葉や生活の奥を覗き込みつづけることで、なにかうまく手が届くような感覚があります(作家ステートメント)」。