EXHIBITIONS

館蔵

春の優品展 吉祥の美

2022.04.02 - 05.08

伝 藤原行成筆 松籟切 平安時代・12世紀 五島美術館蔵

五彩寿字花鳥文瓢形瓶(金襴手) 明時代・16世紀 五島美術館蔵 重要美術品

 五島美術館が館蔵品による展覧会「春の優品展 吉祥の美」を開催する。

 本展は、五島美術館と大東急記念文庫の収蔵品から、絵画や書跡をはじめ、陶磁器・漆工などの工芸作品より「吉祥」にかかわる作品を選び展観するもの。五島美術館の創立者・五島慶太(1882〜1959)の生誕140年を祝い、慶太翁蒐集の古筆を中心に紹介する。

 出品作のひとつは《蓬萊切(ほうらいぎれ)》、長寿を象徴する鶴を主題とした和歌一首で、重要文化財に指定されている。藤原行成筆と伝えられ、「大空に群れた鶴もひとつの方向を指しながら飛んでゆく。さながら祝う心があるようだ」と、鶴を擬人化して祝意をあらわしている。料紙は藍の繊維を雲に見立てて漉き込んだ、雲紙の上にまかれた雲母砂子(きらすなご)が美しい。

 重要美術品《五彩寿字花鳥文瓢形瓶 金襴手(ごさいじゅじかちょうもんひょうけいへい きんらんで)》は、中国では祝いのモチーフとして用いられる瓢箪(ひょうたん)をかたどった大型の瓶。下部に翠青色の大きな「壽」字を配し、左右の窓のなかには、赤地に金彩で鹿(鹿は中国語で「禄」と音が通じる吉祥文)などが描かれている。

 本展では、これらを含む優品約50点を展示。なお会期中には一部展示替えを行う。