EXHIBITIONS

Morita Manabu by WOOD 個展「Unfinished」

Morita Manabu by WOOD Border red

Morita Manabu by WOOD City series blue #2

Morita Manabu by WOOD Silhouette purple

Morita Manabu by WOOD Neon series emerald

Morita Manabu by WOOD 左から《Maru》《Sankaku》《Batsu》

 Morita Manabu by WOODによる個展「Unfinished」が、ホワイトストーンギャラリー銀座新館で開催される。

  Moritaは、2014年にRed Bullのクリエイティブを担当して以来、NIKE、atmosといったストリートカルチャーで存在感のあるブランドから、MONCLER、Rolls-Royceなどのラグジュアリーブランドまで、多方面から注目されるアーティスト。遊び心に満ちたスタイル、世代ならではの素材選びは、若者のみならず幅広い年齢層に支持されている。

  Moritaの作品は、メディウムにこだわらない自由さが印象的。とくに白の使い方は顕著で、ヴィヴィッドな色使いが最終的に帰結する白は、作品をより立体的に際立たせている。一見ライトな印象ながら、見るたびに深みを増すその世界観には、作家が幼少時から読破してきたアニメやコミックの膨大な情報量が投影されている。

 例えば、誕生の瞬間を鋭利なナイフで切り取ったかのような金属的質感の立体作品では、随所に散りばめられたグリーンによって対比された躍動的な時間軸が魅力。現実のモノを非現実的にモチーフ化するといったスタイルも、ひとつのマンガ的解釈だ。いっぽう、メディウムの差異が織り成す層が魅力のキャンバス作品は、アニメ制作におけるレイヤーを想起させ、デジタルな風合いをあわせ持つ。

  AIと呼ばれるデジタル世界の住人たちを描くMorita。本展で展示される新作約50点は、作家の「これまで」と「いま、ここ」とが交錯する連結点となる。ツール(マテリアル)の変化、色層の多様化、そして制作スタイルそのものの変遷、そこから透視される時代ごとのメッセージ性は、「いま、ここ」でまったく異なる形相を帯びてくる。