金玄錫「私に言ってみて」

　バンビナートギャラリーでは、金玄錫（キム・ヒョンソク）の個展「私に言ってみて」を開催する。

　1990年に韓国・光州に生まれた金は、日本大学芸術学部写真学科を卒業後、東京藝術大学大学院油画専攻を修了。現在は横須賀を拠点に制作活動している。

　2016年は写真新世紀優秀賞を、21年には第24回写真「1_WALL」審査員奨励賞を受賞したほか、HB.Nezu（東京、2019）、7001gallery（東京、2020）にて個展を開催、HAGIART（東京、2021）、The 5th Floor（東京、2021）ほかでのグループ展に参加している。

　大学院進学後に本格的に絵を描き始めた金は、規則性のない大胆な筆致で絵を描いている。作風からは一見、自由に描くことに重点を置いているように感じられるが、絵画のみならず、写真や文章から感じられる日常への眼差しは、嘘偽りのない、虚像が入り込まない自身のリアリティこそがもっとも重要であることがわかる。