EXHIBITIONS

太田泰友の標本室

太田泰友 Book Para-Site 4—Chair 1 2020

 銀座 蔦屋書店は5周年記念企画のひとつとして、日本を代表するブックアーティスト・太田泰友の新作個展「太田泰友の標本室」を、店内アートブックフロアにて開催する。

 太田は1988年生まれ、山梨県出身。美術作品としての本の歴史が脈々と受け継がれるドイツで、ブックアートの最高学位であるマイスターシューラー号を取得した初めての日本人アーティストだ。どんなものでも本に仕立てられる高度な製本技術と、やわらかな感性によって織りなす太田の独自のブックアート作品の数々は、これまでハーバード・ライブラリー、ドイツ国立図書館、うらわ美術館など国内外の美術館、図書館、アートギャラリーに収蔵されてきた。

 2017年には日本に活動拠点を移し、ウィリアム・モリスに始まる総合芸術としての本の在り方をさらに拡張しながら、「ブック」と「アート」をつなぐ前人未到の作品世界を追求。2020年の「ポーラ ミュージアム アネックス展2020 -真正と発気-」では、椅子やテーブル、フォークや鏡など、身の回りの家具に本が寄生するオブジェ作品群「Book Para-Site」を発表した。

 太田は「本」から見落としてしまうような小口やミゾ、チリや花布、スピンやノンブルなど、書籍の細部に宿る本らしさに「ブック」と「アート」が出会う結節点を見出し、作品を紡いでいる。

 本展は、太田が帰国以降に取り組んでいるブックアートの可能性をまとめ、標本室のように総覧できる展覧会。銀座 蔦屋書店という本の森のなかで、本がサナギのように木の枝に身を寄せる「Pupal」シリーズをはじめ、「Book Para-Site」から派生した新作、そして過去の代表作品を展示する。

 なお作品の販売は、銀座 蔦屋書店店頭およびオンラインマーケットプレイス「OIL by 美術手帖」にて行う。