EXHIBITIONS

ミニマル/コンセプチュアル

ドロテ&コンラート・フィッシャーと1960-70年代美術

2022.03.26 - 05.29

ドロテ・フィッシャーとコンラート・フィッシャー 1969年 Photo by Gerhard Richter

ソル・ルウィット ストラクチャー(正方形として1、2、3、4、5) 1978-80
滋賀県立美術館 © 2021 The LeWitt Estate

ソル・ルウィット モデュラー・ストラクチャーのためのワーキング・ドローイング 1970
ノルトライン=ヴェストファーレン州立美術館 © 2021 The LeWitt Estate; Foto: Achim Kukulies, Düsseldorf

ゲルハルト・リヒター エリザベート(CR104-6) 1965
東京都現代美術館 © Gerhard Richter 2021(07042021)

ギルバート&ジョージ アーチの下で(ボックス) 1969
ノルトライン=ヴェストファーレン州立美術館 © 2021 Gilbert & George; Foto: Achim Kukulies, Düsseldorf

  20世紀後半のアートに変革をもたらした、ミニマル・アートとコンセプチュアル・アートをいち早くを紹介し、伝説的なギャラリーとして語り継がれるフィッシャー・ギャラリー。その展覧会「ミニマル/コンセプチュアル ドロテ&コンラート・フィッシャーと1960-70年代美術」が、兵庫県立美術館に巡回する。

 ミニマル・アートは、作家の手仕事やその痕跡といった表現性を廃し、単純で幾何学的なかたちやその反復からなる作品を制作する美術の潮流を指す。これに続いて現れたコンセプチュアル・アートは、物質的な制作物以上に、そのもととなるコンセプトやアイデアを重視し、特定の形式にしばられることなく、言葉や印刷物、日用品、作家自身の行為、それを記録する写真や映像など、多様な媒体を用いた。

 ドロテ&コンラート・フィッシャー夫妻は、1967年にデュッセルドルフにギャラリーを開き、こうした同時代の国際的な動向をいち早く紹介した。フィッシャー夫妻は展覧会を手がけた作家たちの作品を収集するとともに、その制作過程に関わる書簡や指示書、ドローイングといった多彩な資料も保管していた。

 本展は、1960〜70年代当時まだ発表機会の少なかった、ミニマル・アートとコンセプチュアル・アートという2つの動向の実験的な作品を紹介する場としてギャラリーを開いた、ドロテ&コンラート・フィッシャーの旧蔵作品を中心に、同時代の美術をふり返るもの。

 フィッシャー夫妻のコレクションを収蔵したノルトライン=ヴェストファーレン州立美術館の全面的な協力のもと、フィッシャー夫妻旧蔵の貴重な作品と資料、ならびに日本国内に所蔵される主要作品を展示する。

 出展作家は、カール・アンドレ、ダン・フレイヴィン、ソル・ルウィット、ベルント&ヒラ・ベッヒャー、ハンネ・ダルボーフェン、河原温、ロバート・ライマン、ゲルハルト・リヒター、ブリンキー・パレルモ、ダニエル・ビュレン、リチャード・アートシュワーガー、マルセル・ブロータース、ローター・バウムガルテン、リチャード・ロング、スタンリー・ブラウン、ヤン・ディベッツ、ブルース・ナウマン、ギルバート&ジョージら。