EXHIBITIONS

須賀悠介「瞳孔がひらいている」

2022.03.19 - 04.17

Open Your Eyes 2021 © Yusuke Suga

  LEESAYAは、須賀悠介による個展「瞳孔がひらいている」を開催する。

 須賀は1984年東京都生まれ。東京藝術大学彫刻科を専攻し、立体作品を主にCGや写真など様々な素材を用いた作品を国内外で発表している。

 須賀はいままで作品のなかに相反する要素を並存させる、あるいは衝撃や暴力性の可視化、通常ではあり得ない事物の状態を立体化させることに注力してきた。その作品では、自身の首を狩り天高く掲げるペルセウス像や、足を怪我すると死を免れない競走馬のための義足、煌々と輝くステルス機など、秩序と混沌が保たれた状態が巧みに立ち現われる。

 数多くの立体作品を制作し続けてきた須賀だが、いっぽうで「彫刻」というものに対して根本的に作品制作のアイデンティティはないと話す。「なぜ、須賀は制作をし続けるのか」とディスカッションを重ね、作品制作のきっかけとも言える原体験にたどり着くことができたという。

 4歳の頃に作家に起きたその体験は、須賀にとって世界がひっくり返る大きな出来事だった。信じて疑わなかった日常が、一変する驚きと恐怖。認められざる世界も確かに存在する可笑しさ。あの感覚をもう一度味わいたいから制作を続けていると須賀は語る。

 本展では作家のテキストとともに、制作のきっかけとなった原体験にまつわる新作群が展示される。