EXHIBITIONS

長井朋子展「ボタニカルな休日」

長井朋子 ボタニカルな休日 2021
© Tomoko Nagai Courtesy of Tomio Koyama Gallery

長井朋子 くまのお母さん 2021
© Tomoko Nagai Courtesy of Tomio Koyama Gallery

長井朋子 赤いワンピース 2021
© Tomoko Nagai Courtesy of Tomio Koyama Gallery

 MITSUKOSHI CONTEMPORARY GALLERYでは、アーティスト・長井朋子による個展「ボタニカルな休日」を開催する。

 長井は1982年愛知県生まれ、2006年愛知県立芸術大学美術学部美術科油画専攻卒業。現在、東京を拠点に制作活動を行う。

 長井の絵のなかに描かれている森や部屋の背景には、多くの動物や子供、色とりどりの木やキノコなどが、まるで劇場のように配置されている。様々なモチーフが散りばめられた絵はどれも、空想の物語の世界を凝縮したような躍動感とイメージの層が複雑に重なり合う独特の空間性を持っている。長井は、多彩なマチエールや筆致が不思議なリズムとなり、まるでひとつの音楽を奏でているかのような表現を試みている。

 鑑賞者は、実際に長井の作品が並ぶ展示空間のなかに立ち、絵と対峙することでこの旋律を感じられる。また自分が子供だった頃の懐かしい感覚や思い出、その頃みた夢など、いつの間にか自身の記憶と経験が作品世界と接続し、絵のなかに入り込んだかのような感覚を覚えることとなるだろう。

 長井は本展に寄せ、次のようにコメントしている。

「展覧会タイトルを『ボタニカルな休日』と題し、『植物から教えてもらう偶然性の美しさ』をテーマとしました。日々出会う、自然の風景を切り取って1枚の絵画のように見ている事がよくあります。パノラマサイズの大自然や、ミクロサイズのひとつひとつの植物まで視点を色々変えて見ているのが好きだったり、それがそのまま作品のアイデアに繋がったりもします。偶然が重なってそこにある風景が、例えば大きな木の枝に絡まる植物のつるの具合やそれを照らす光の加減など、なんて良い描写だろう!と絵に置き換えてみては感心しています。

必然と偶然とが重なりあって抜群に良いバランスを生みだしている。自分の作品の目指すところと良くにている事だと思います。このような植物から教わる偶然性の美しさや、自分の中にある世界観を織りまぜて作品制作をしています(長井朋子)」。

 全作品を「PassMarket」にて抽選販売。応募期間は3月30日 10:00から4月3日 10:00まで。詳細は日本橋三越本店のウェブサイトにて公開中。