EXHIBITIONS

品川亮「踏青」

品川亮 踏青図 2022

品川亮 夏草渓流図 2022

品川亮 梅に椿 2022

 MITSUKOSHI CONTEMPORARY GALLERYは、アーティスト・品川亮による個展「踏青」を開催する。

「日本の絵画」を追求する品川。岩絵具や箔などの素材、大和絵、琳派、狩野派といった現代においても継承されている様式を引用しつつ、現代の日本人だからこそ表現することができる「日本の絵画」の可能性に挑戦し続けている。

 日本は大陸よりもたらされた漢字を「単純化」して「ひらがな」という独自の文字をつくり上げた。それは日本独特の「型」に置き換えて「単純化」させるという行為によるものだ。品川は、この行為に着想を得た制作方法で描く、モチーフの花の部分のみを単純化させたシリーズも展開している。

 本展では、花の部分を単純化させた品川の人気シリーズに加え、そこからさらに近年取り組んでいる、水墨画や書における筆致を引用しながら、西洋絵画に見られるブラシストロークを取り入れたシリーズの新作もあわせて発表する。計算された構図とダイナミックな筆致、そこにポップな現代的要素を取り入れてアップデートした作品は、「日本の絵画」の今後の方向性を示している。

「制度に厳密に従うことによってのみ存続している『日本画』。この『日本画』によって分断されてしまった、江戸時代まで続く日本の絵画を再考できないかと考え、作品を制作しています。日本の絵画は現代にどのようにつながるものだったのか、それはあくまでもローカルなものではあるけれど、今生きている僕にとってよりリアリティのある、本質的な絵画になりうるのではないか、と考えています(品川亮)」。

 なお新作16点を「PassMarket」にて抽選販売。応募期間は3月16日 10:00から3月20日 10:00まで。詳細は日本橋三越本店のウェブサイトにて公開中。