加藤慎也「リセンチュリー」

　ライトシード・ギャラリーでは、ᗡИƎ（エンド）ギャラリーと合同で、ニューヨークを拠点に活動する気鋭の作家・加藤慎也の個展「リセンチュリー（RECentury）」を開催している。

　加藤は1986年愛知県生まれ、名古屋市立工芸高等学校卒業。アナログとデジタルの中間世代として物質の定義や存在価値の変容とともに育ったことにより、多角的な視点から構成される作品制作を開始。絵画のみならず、写真、デザインなど多岐に渡る技法を用いた独自の表現を追及している。

　本展で加藤は、100年以上前の写真やアメリカを象徴するモチーフを独自のテクスチャー技法と組み合わせることにより、自身のフィルターを通した文化の可視化を実現させる。現代の視点から過去の記憶を再構築した加藤の世界観を紹介する。

「ニューヨークに住むと言うことはとても稀有な経験だと思う。言葉、文化、思想、哲学、宗教、全てが違う人々が一つの街に集まり、手探りでその違いをゼロから擦り合わせる事により新しい文化を構築して来た街だと認識している。その街にアーティストになる事を夢見て住み着いた1人の日本人として自分には何が作れるか、どうすれば自分の作品で異なる人々に感動を与えられるのかを考えながら制作しています。制作の中の1つのテーマとして『時間』があります。それは全ての人が等しく持つ物であるからです。インターネットやデジタルテクノロジーでの大きな変革のちょうど中間地点にいる僕らの世代としてその『時間』をどう表現するかを考えながら作った作品が今回の展示になります（加藤慎也）」。