EXHIBITIONS

横浜市民ギャラリーコレクション展2022

モノクローム ―版画と写真を中心に

利渉重雄 道標 1989

北川健次 フランツ・カフカ高等学校初学年時代 1987

一原有徳 SON 88 1988

秋山亮二 「楢川村」より 1989

浜口タカシ 馬ソリ 1976

 横浜市民ギャラリーの約1300点の所蔵作品は、1964年の開館以来、企画展や国際展などを機に収蔵され、戦後から90年代初頭までの国内の美術史や横浜の美術シーンを反映している。2022年の「横浜市民ギャラリーコレクション展」では、単色で表された版画と写真作品を中心に展覧する。

 版画は、技法の探求や材料の選択、描かれた図像といった要素が重なり合って多様な表現を生み出すだけでなく、単色で摺られることで、線や面が織りなす豊かなイメージが見る者の目をより惹き付ける。いっぽう写真は、光と影によって構成される平面のイメージへと被写体が変換されることで、対象の気づかぬ一面が表れ、自らの認識を新たにするような視覚体験を導くことがある。

 本展は、4つの章「線とかたち」「光と闇」「人のいる風景」「イマジネーション」と、特集展示「浜口タカシ―〈北海に生きる〉より」で構成し、モノクロームの抑制された色彩が生む表現の多様さや豊かさを紹介する。

 出品作家は、相笠昌義、秋山亮二、一原有徳、海老原暎、小作青史、河崎英男、北井一夫、北川健次、斎藤義重、島内英佑、高垣秀光、高松次郎、田辺和郎、土田ヒロミ、富山治夫、中林忠良、長谷川潔、浜口タカシ、藤倉忠明、藤澤江里子、藤田修、三門常世、宮井里夏、宮脇愛子、山口啓介、利渉重雄。

 また会期中には、出品作家・北川健次と浜口タカシのインタビュー映像上映や、ボランティアからなる鑑賞サポーターが行うトークなども実施する。