EXHIBITIONS

是恒さくら「潜る眸」

©︎ Sakura Koretsune

是恒さくら ありふれたくじら 刺繍・小冊子の風景 「story whaling」(広島県広島市・横川創苑、2017) 撮影=鹿田義彦

是恒さくら 泳ぐ木 2018

リトルプレス『ありふれたくじら』Vol.1~Vol.5(2016-2018)

リトルプレス『ありふれたくじら Vol.6:シネコック・インディアン・ネーション、ロングアイランド』(2020)

 CAI03で、東北から北海道を拠点に活動するアーティスト・是恒さくらの個展「潜る眸」が開催されている。会期は3月19日まで。

 是恒は1986年広島県生まれ。2010年アラスカ大学フェアバンクス校卒業。17年東北芸術工科大学大学院修士課程修了。21年より北海道苫小牧市在住。国内外各地の捕鯨、漁労、海の民俗文化を尋ね、リトルプレスや刺繍、造形作品として発表している。リトルプレス『ありふれたくじら』主宰。最近の展示に「開館20周年展 ナラティブの修復」(せんだいメディアテーク、宮城、2021)、「NITTAN ART FILE 4:土地の記憶~結晶化する表象」(苫小牧市美術博物館、2022)など。「VOCA展2022」(上野の森美術館、東京、3月11日〜30日)へ出展予定。

 昨年、鯨を追いかけ北海道の海を巡った是恒。古今東西、鯨にまつわる伝説、神話、寓話は多く、それは現在にも語り継がれている。海沿いに育ち、海と戯れ、海とともに成長した作家にとって鯨は特別な存在になっている。是恒は、鯨にまつわる物語を求め世界各地の海を渡り歩き、そこでしか出会えない鯨の物語を糧に自身の鯨を創造している。それは碧い刺繍となり絵画となり、青く染まる鯨の詩集となる。

 本展「潜る眸」で私たちは、鯨を追って国内外、そして北海道にたどり着いた是恒と鯨の物語に立ち会う。