EXHIBITIONS

KEITH BOADWEE RECENT PAINTINGS

2022.02.18 - 03.05

キース・ボードウィー 参考画像

キース・ボードウィー 参考画像

 MARGIN(Art Technologiesより名称を変更)では、カリフォルニア在住のアーティスト、キース・ボードウィーの個展「KEITH BOADWEE RECENT PAINTING」を開催している。

 ボードウィーは1961年アメリカ・ミシシッピ州生まれ。89年にカリフォルニア大学ロサンゼルス校で学士号を、2000年に同大学バークレー校で修士号を取得。ポール・マッカーシーとクリス・バーデンに師事し、これまで世界各地で個展を開催している。

 ボードウィーの最近の作品は、カエルや犬を題材に、異性愛を規範とする従来の社会通念に一石を投じ、アイデンティティとは何かを問い直している。作品に登場する動物たちは、先入観を排除するために意図的にジェンダーレスに描かれており、ジェンダーの前提に立たないオルタナティブとしての魅力や欲望を表現している。

 ボードウィーは語る。「カエルは自伝的なキャラクターであり、より個人的な物語に焦点を当てた自身の代用品であるとしています。一方、プードルは激しい社会的激動の時代における精神性のようなより抽象的で大きな文化的議論の媒体として機能しています。金魚のイメージに関しては、COVID-19以降の世界における『孤立すること』のメタファーとして機能しています。何時間も何時間も内側に向き合い、内省し、熟考するのです。被写体は、鑑賞する私たちと同様、自分のグラスボウルの中にいて、混沌とした世界を見つめているのです」。

 本展は、2020年以降に制作されたボードウィーの油画11点を日本初公開。擬人化された動物をモチーフにした新作ペインティングのシリーズで構成される。

 風刺的かつ真摯に向き合うボードウィーの作品には、つねに冷笑的なセンスが存在する。孤独、自己投薬、憧れ、不安、憂鬱など、作品の奥に抱える難しいニュアンスの題材を、擬人化という手法を駆使することで軽やかなユーモアを交えて描き、あらゆるものに対し子供のような喜びを持ちながら、同時に美術史に対する批評的な考察を続けている。