EXHIBITIONS
細見コレクションの漆芸
根来 NEGORO
-朱と黒のかたち-
細見美術館が展覧会「細見コレクションの漆芸 根来 NEGORO -朱と黒のかたち-」を開催。細見コレクションの創始者である初代古香庵(細⾒良、1901~79)が魅せられた「根来(ねごろ)」を一堂に紹介する。
木の強さとしなやかさ、漆の鮮やかさと渋味、使い込まれた美のかたち。実用から生まれた根来は、木と漆の特性をもっともよく活かした器と言える。その⾵格と優美な佇まいに魅了された初代古⾹庵は、「私などは根来を⾒るたびに、⻑年の⾵雪と使⽤に耐えて、なおかつ美しいところに何となく声なき教訓を感じ、敬慕の念を禁じ得ないのであります。」(『⽇本美術⼯芸』285号、1962)と語っている。また根来の研究を重ねると、茶の湯の道具として積極的に⽤いることで新しい取り合わせを提案し、その魅⼒を広く伝えた。
中世に紀州・根来寺において、僧侶と信徒が使う飲食器や什器に始まるとされる根来塗は、用途に適した簡潔なフォルム、長年の使用に耐えうる堅牢な造り、明快な色彩「朱と黒」が特徴。漆を塗り重ねた丈夫な器の表面は、経年によって上塗の朱漆が擦れて中塗の黒漆が現れ、重ねた歳月を物語る擦れやひび割れた姿も味わいとなる。近代には、この塗肌の景色に魅せられた数寄者たちによって、根来は、華麗な蒔絵とは対極をなす漆芸の美として注目されることとなった。
本展では、自著『根来の美』(浪速社、1966)にしたためるほど情熱を傾けた初代古香庵の根来のコレクションより、平安後期〜鎌倉前期の《⾼坏(たかつき)》、室町時代の《亀甲文瓶子(きっこうもんへいし)》や《湯桶(ゆとう)》、重要美術品にも指定される《菜桶(さいおけ)》などを展示する。
木の強さとしなやかさ、漆の鮮やかさと渋味、使い込まれた美のかたち。実用から生まれた根来は、木と漆の特性をもっともよく活かした器と言える。その⾵格と優美な佇まいに魅了された初代古⾹庵は、「私などは根来を⾒るたびに、⻑年の⾵雪と使⽤に耐えて、なおかつ美しいところに何となく声なき教訓を感じ、敬慕の念を禁じ得ないのであります。」(『⽇本美術⼯芸』285号、1962)と語っている。また根来の研究を重ねると、茶の湯の道具として積極的に⽤いることで新しい取り合わせを提案し、その魅⼒を広く伝えた。
中世に紀州・根来寺において、僧侶と信徒が使う飲食器や什器に始まるとされる根来塗は、用途に適した簡潔なフォルム、長年の使用に耐えうる堅牢な造り、明快な色彩「朱と黒」が特徴。漆を塗り重ねた丈夫な器の表面は、経年によって上塗の朱漆が擦れて中塗の黒漆が現れ、重ねた歳月を物語る擦れやひび割れた姿も味わいとなる。近代には、この塗肌の景色に魅せられた数寄者たちによって、根来は、華麗な蒔絵とは対極をなす漆芸の美として注目されることとなった。
本展では、自著『根来の美』(浪速社、1966)にしたためるほど情熱を傾けた初代古香庵の根来のコレクションより、平安後期〜鎌倉前期の《⾼坏(たかつき)》、室町時代の《亀甲文瓶子(きっこうもんへいし)》や《湯桶(ゆとう)》、重要美術品にも指定される《菜桶(さいおけ)》などを展示する。




