EXHIBITIONS

宮田雪乃「小屋の尾」

2022.02.12 - 03.13

宮田雪乃 ボスのぬいぐるみ 2022 © Yukino Miyata

 LEESAYAでは新春の恒例となる、アーティスト・宮田雪乃の個展「小屋の尾」を開催する。2月12日~3月13日まで。

 宮田は1986年三重県生まれ。京都市立芸術大学大学院を修了後、現在は三重を拠点に制作・活動。宮田の作品は一見、アクリル画のように色鮮やかで、描かれる線は繊細かつ軽快な印象を持つが、多くの手数がかかる作業を経て制作された版画作品だ。宮田が用いるドライポイントの版画技法は金属版に彫るのが一般的とされ、しかし宮田の場合は塩ビ板をニードルで彫りプレス機でイメージを刷っている。塩ビ板は刷る際の圧力に弱いため、刷り出しの数は限られるが、木版画や銅版画に比べてインクの発色が良く、独特なにじみが特徴となっている。

 繰り返される日常を嘆くでもなく、ことさらに素晴らしさを謳い上げるでもない作家の静かな眼差しは、潔く軽やかな独自の画面をつくり上げ、昨年のLEESAYAにて開催された東京での初個展では多くの好評を得た。

 宮田は今回、紙作品だけではなく、シルクスクリーンや凸版版画との混合技法など、新たな手法にも取り組んだ。本展では、日々生きていくことの美しさと難しさに絶望しながらも、何も諦めずに粛々と生み出される宮田の作品群を展示する。